STORES のシニアマネジャーになった、私の“ライフ”と“ワーク”
数々の職場での経験を活かし、STORES のシニアマネジャーとして活躍する平沢 春佳さん。がむしゃらに成果にこだわる営業時代、プレイングマネジャー時代を経て、現場を離れメンバーがより成果を出せる環境を作るマネジメントに辿り着くまでには、どのような変遷があったのでしょうか。また、働きながら変化した“ライフ”と“ワーク”とは。これまでのキャリアの変遷を伺いながら、お話を聞きました。
上司のひとことがキャリアの転機に。これまでのキャリア
──今日は、平沢さんのキャリアの変遷をたどりながらその働き方や考えの変化についてお話を伺います。まずは、これまでのキャリアを教えてください。
キャリアの話に入る前に、少しだけそれ以前のお話をしましょう。思い返せば、子供の頃からリーダーをやることが多かったこと、学生時代のアルバイトや大学での勉強にも熱心に取り組んでいたことがその後のキャリアのベースになったのかもしれません。みんなのまとめ役をやることや、与えられた仕事や求められる役割に対して成果を出すことが、社会人になる前から身近だったのです。
──なるほど。それでは、キャリアのスタートも順調だったというわけですね。
いいえ、一社目の飲食店では、それまでの働き方を叩き直されるところからのスタートでした。それまでのアルバイトで培った働き方ではまだまだ足りていない部分をここで教えていただいたのです。
その後、派遣会社で派遣社員のコーディネートの仕事につきました。この仕事は、さまざまな生き方やライフステージの変化、年齢に合ったキャリアの築き方を間近で見る貴重な体験をさせてくれました。この時の経験は、のちの私のキャリア形成にも影響を与えているかもしれませんね。
──確かに。毎日たくさんの方のキャリアをアドバイスしたり、コーディネートしたりしていますものね。その後求人広告、人材紹介、ITソリューションなどを手がける大手人材会社に活躍の場を移されています。ここでのキャリアが最も長いですね。
はい。情報誌の営業として入社してから17年間ここで働きました。この会社で12回役割を変え、私のキャリア観やライフステージも変化していきました。
──どのような変化があったのでしょう。
まず、契約社員として入社し、その後正社員となって雇用形態が変わりました。その後、営業としての成果が認められ営業マネジャーになり、その後は媒体やチームサイズを変えながらさまざまな現場を経験。また、経営企画部で、グループ会社のダイバーシティー推進の仕事などにも関わり、仕事の内容も大きな変化がありました。さらに、この17年の間にプライベートでは2度の産休を取得。仕事内容や役職だけでなく、働き方も大きな変化があった期間でした。
──この17年の間に、大きなキャリアの転機があったとか。
営業のマネジャーをしていた時でした。当時、トッププレイヤーの延長のようなマネジャーだった私に、「今の延長線では、あなたには同じ仕事しか来ないよ」と上司がアドバイスしてくれたのです。仕事の仕方を変えなければ、エリアや商品、チームサイズが変わっても、リーダーの延長のようなマネジャーの仕事しかできないという厳しい激励でした。
当時の私は、結婚したばかりで子どもを持つかまだわからなかった時。もしも子供を持たなければ、私はずっと仕事を続けるだろう。そうすれば、おそらくキャリアについてじっくり考えたり、立ち止まることなく働き続けることになる。上司の言葉どおり、10年後も、20年後も同じような仕事を任されるのは、キャリアが止まっているのと同じことだと考えました。
この言葉をきっかけに、大学院でマネジメントについて学んだり、自分で勉強したりするようになりました。それによりその後の仕事が少しずつ変わり、最後には3000人規模の事業の新人教育をするまでになりました。
──そのキャリアが現在にもつながっているのですね。ここからは、 STORES に入社されてからのお話を伺いたいと思います。
STORES 入社時に交渉した、子育てと仕事のこと
── STORES への転職はどのようなことがきっかけだったのでしょうか?
先ほどお話した転機を経て、大規模な組織の新人育成も経験し、2回目の産休から戻った頃のこと。今度は自分の中から「私、このままでいいのかな?」という問いが生まれてきたのです。大企業で異動も頻繁でしたから、ある程度成果が出るとまた次のところに異動して成果を出さなければならない、その繰り返しのキャリアになることが目に見えていました。それならば環境を変えてみようと、 STORES に入社したのです。
── STORES に入社する時、役割などの希望はあったのですか?
入社時の役割にこだわりはありませんでした。一方、面接でお会いした代表の佐藤さんの頭の中には、私に前職のようなマネジメントをしてほしいという構想があったかもしれません。その時には、現場ではまだそのニーズがなかったので、プレーヤーとして入社し、1ヶ月半でマネジャーになりました。
子育てとの両立のため、私からは働き方についてリクエストをしました。当時は子どもが保育園に上がった頃。お迎えが大変になるので、基本出社をしないこと。出社する時にはお迎えができる時間には会社を出ること。その後の時間に課される仕事は基本的にはできないこと。
──その時の STORES の反応はどのようなものでしたか?
全体的にこちらを尊重してくれているなという印象でした。正直に言えば、こういう交渉をされたことがない人たちなんだなとも感じました(笑)。私が伝えたことに対して「そうなんですね!」とはっとされていたのを覚えています。現在では、相手を尊重する文化はそのままに、多様な働き方を受け入れられる体制が整ってきているので、また状況は違うと思います。
──実際に STORES で働いててみて、どのように感じられたのでしょう。
社内ツールやコミュニケーションにはあまり壁を感じず、すぐに馴染むことができました。子どもを保育園にお迎えにいく時間までに仕事を終わらせることで、メリハリを持って働けることも嬉しく感じたのを覚えています。
一方で、会社にはたくさんの女性メンバーがいるのに、マネジメントクラスに女性が少ないのが気になりました。役割上、入社してすぐ全てのビジネスサイドのマネジャーにミーティングを申し込んだのですが、男性ばかりで。入社するまではなんとなく男女比が半々くらいの印象を持っていたので、少し驚きました。これが、今の私のミッションのひとつにもつながっています。
人の数だけある“ライフ”と“ワーク”を、シニアマネジャーとして支援したい
──2024年1月からはシニアマネジャーに就任されました。まず、就任されてみていかがですか。
正直に言うと、“めっちゃ難しい”ですね。STORES に入ってからのマネジャーはプレイングマネジャーで、自分のチームに集中していました。けれど、シニアマネジャーになってからは3つのチームをみていて、プレーヤーとして働くことはありません。前職でマネジメントをしていた時は、仕事が得意分野だったので成果を出す方法がわかっていましたが、現在はそれも考える必要があります。自分自身も成果の出し方がわからない状態で、みんなが成果を出せる状態を作る難しさに直面しています。
また、役割が変わったことで、緊急の対応に伴い出社することが増えました。実はまだこの変化に私のチューニングが間に合っておらず、やり方を模索している状態です。その結果、今は仕事と子育て両方に少しだけ皺寄せがいっているように感じます。これまでキャリアの変化を乗り越えてきたように、今回も今が頑張りどきだと感じています。
──これまでのキャリアを経て、現在まで一貫している仕事観があればお聞かせください。どんなことにやりがいを感じて、何を大切にしていますか?
私は仕事の内容や役割にこだわりがありません。共通しているのは、人や場所など、何かの状態をよくするのが好きで、それをやりたいということ。特に、誰かに力を発揮してもらうのにはとても喜びを感じます。そのために、エンジンをかけてあげる役割ができたらいいなと思います。
──まさに、シニアマネジャーの仕事でそれが叶いそうですね。
はい。現在、20代の新任マネジャーが2名います。現場のトッププレイヤーだった二人が、自分だけではなく他の人を巻き込んで成果を出す新たなチャレンジを支援できるのが楽しみです。また、女性のメンバーには、同じ女性としてキャリアのひとつの選び方として「こんな人もいるんだ」と私を参考にしてもらえたらいいなと思います。また、“ライフと“ワーク”をどうしていきたいかの対話をたくさんしていきたいですね。人の数だけある“ライフ”を許容できるチームにしていきたいです。
──“ライフと“ワーク”。子育てとキャリアを両立してきた平沢さんにぴったりのテーマですね。
何も、子育てだけがライフではないはずです。例えば、恋愛も立派な“ライフ”ですし、熱中している趣味や、叶えたい夢もそうでしょう。人生で何かしらやりたいこと、やらなければいけないことがあって、それと仕事を両立させるには、まず自分が「何したいか、どうしたいか」を決めることが大事。
本人が決めればそれをサポートする制度と環境、メンバーの理解は STORES に揃っています。例えば、子どもも仕事も大好きな私は、それらが両方ある状態を楽しんでいます。一緒に働いているメンバーが“ライフ”も仕事も存分に楽しめるように、チームメンバーに光をあてるようなシニアマネジャーでありたいと考えています。
デザイン:荒木 脩人
写真・文:出川 光
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