最先端のITプロダクトが、多様なお商売を叶えるサービスづくりを支える。STORES のコーポレートエンジニアの仕事
STORES のPX部門 IT本部でコーポレートエンジニアとして活躍する中野達也さん。社内ITの管理や効率化だけでなく、AIを活用した取り組みも行っています。また、シニアマネジャーとしてチームメンバーの働きやすい環境づくりにも力を注いでいます。 STORES の社内ITを支えるIT本部の仕事について話を聞きました。
STORESのIT環境を支えるコーポレートエンジニアの仕事
──前回の登場時には、「事業スピードを落とさない攻めの情シス」として400名を超えるメンバーのアカウント移行のお話を伺いました。あらためて、現在のお仕事について教えてください。
まず、組織について説明します。私がマネジャーを努めるIT本部の下にコーポレートエンジニアリンググループが紐づく形で、STORES のメンバーが安心安全で効率的に働ける環境をITの力で作っています。
具体的な仕事内容は、全社員が日常的に利用するクラウドサービス、例えばSlackやGoogle Workspace、Oktaなどの管理と改善を行っています。また、PCやスマートフォンなどの社内デバイスの管理や、オフィスのネットワーク環境や顔認証入退室システムなどの整備も担当しています。
また、最近ではこれらの仕事に社内ITにおけるAI活用の推進が加わりました。Chat GPTが登場した2023年4月頃以降、社会的にさまざまな業務にAIを取り入れる動きが始まりました。しかし、特定のチームだけがAIを活用する状況は好ましくありません。そこで、STORES としてAIを活用すべき領域の選定や、導入推進を私たちのチームで行うことになりました。
働き方をアップデートするためのAI活用
ITプロダクトを作る会社には、いいITプロダクトを
──AI活用についてもう少しお話を聞かせてください。推進を行うきっかけは何でしたか?
私にとってAIの登場は、インターネット技術やスマートフォンが初めて登場したときの衝撃に匹敵するものでした。私は高校時代にパソコン通信に触れ「これからみんながインターネットをする時代になる!」と確信してITの学校に進学し、その後スマートフォンが登場した時には「これは時代が変わる!」と感じてアプリ開発を始めました。AIの登場はスマートフォン以来の衝撃で、「働き方が大きく変化していく」と確信しました。
──現在、どのようにAIを導入しているのでしょうか。
現在はどのツールを導入すべきかの検証を行っています。AIを活用できる業務領域は多岐にわたり、メールやドキュメンテーション、コーディング、オペレーション構築などさまざまな可能性とそれを実現するツールがあります。IT本部が率先して触り、AIを導入していく領域を探っており、来年の1QにAIを活用したツール導入を進める予定です。
導入の検証軸は、便利さだけでなく「働き方をアップデートできるかどうか」。 STORES はITのプロダクトを提供する会社です。いいITプロダクトをつくるには、いいITプロダクトに囲まれているべき。そこからインスパイアされアイデアが出てくるからです。ただ便利になるだけではなく、働き方そのものをアップデートしてくれるようなAIを導入していきたいと考えています。
具体的には、Slack AI や Google WorkspaceのAI機能、Dify、Notion AIの導入などを検討しています。また、ソフトウェア開発の経験を活かし、導入して終わりではなく、特定の要望を満たす必要があれば自分たちで作って解決することもあります。例えば、STORES の社内の困りごとや情報を Slack で教えてくれるAIボット「tsuna-can」のように、手を動かして解決する手段をこれからも持ち続けるつもりです。
──AI導入により目指していることはありますか?
“AIドリブン”で働く組織を作ることです。今、テキストやメールを書き始める時にAIを使う人はまだ少ないはずです。自分で作ったものを添削するのにAIを活用する人はいるかもしれませんね。けれど、本当に労力がかかるのは最初に作り始める作業なはず。AIにはそれがまだ十分にできないと考えている人もいるかもしれませんが、それはAIへの伝え方やこちらの理解が十分でないからです。
劇的な効率化を実現するには、まず“AIと友達に”なって、作業の初期段階をAIに任せられるようにする必要があります。AIにまず作ってもらい、最終的な判断やディレクションを人間が行う、“AIドリブン”な働き方を推進していきたいです。
──大きな変化がありそうですね。自分の仕事が変わることに抵抗を感じる人もいるかもしれません。
「AIに仕事を奪われる」という言葉をよく聞きますよね。けれど、私はAIの活用によりみんながさらに大きな仕事にチャレンジできるようになると考えています。
実は、先ほどお話した「tsuna-can」を作る時、AIを活用したんですよ。AIなら何度同じことを聞いてもいいし、コーディングのサポートもしてくれる。AIの分野の技術なんて全く知らなかったのにもかかわらず1ヶ月でRAGを活用したチャットボットを作って社内リリースすることができました。ブログの執筆や外部への情報発信など、苦手な人って多いと思うのですが、苦手なことをAIに任せることでその人の仕事の幅や会社の可能性が広がるはずです。
IT本部がテストケースとなり、社内に業務改善方法を広げていく
──IT本部では、メンバー増員に伴い工夫したことがいくつかあるとか。特に、産休・育休を取得したメンバーなどがスムーズに仕事を引き継げる環境を構築したと聞きました。
ドキュメント文化の構築とアプリケーション開発による細かな作業の自動化を行いました。以前は業務の手順が担当者の頭の中やSlackの過去ログなどに依存していることが多く、担当者が不在になると業務が滞るという課題がありました。メンバーが1、2人の間はそれでもなんとか業務を行うことができましたが、人数が増えるにしたがってそのやりかたに限界が見えてきました。そこで、全ての手順や作業内容をドキュメント化する取り組みを進めました。
この取り組みにより、突発的な休暇があっても業務が停滞することなく、他のメンバーがスムーズに引き継ぐことができ、新しいメンバーが入ったときに早く成果を出せる環境を作ることができました。また、特定の人が持っているタスク、期日、やろうとしていたことが誰がみてもわかるようになり、長期の休暇だけでなく突発的なお休みがあっても社内ITの運用改善を止める必要がなくなったのです。
このような改善は、IT本部で効果が出たら STORES の他の組織に積極的に広めていきたいと考えています。私たちがテストケースとなって、STORES 全体の業務改善を支えていくつもりです。
多様なお商売を支える STORES。その STORES の仕事をITの力で支えるIT本部のこれから
──STORESで働く中で、やりがいを感じる瞬間はありますか?
最近、新しく入社した社員を持つマネジャーから「新しくチームに入社された方が、使いやすいITツールとマニュアルが揃っているおかげでスムーズに業務を進められています」というフィードバックをもらいました。これが私たちが目指していたことだと感動しましたね。“いけてる、わかりやすい”ITツールとドキュメントの提供により、みんなが活躍できるIT環境を整えられたと実感できる瞬間は、やりがいを感じます。
──IT本部では、コーポレートエンジニアを採用中です。どのような方が活躍できるでしょうか?
AIをはじめとする新しいテクノロジーが好きで、コードを書いたり手を動かしたりするのが好きな人がいいですね。その上で STORES にマッチしたソリューションを考えられる方だと活躍できるのではないでしょうか。また、コーポレートエンジニアの仕事は、幅広い社内の方と関わりながら周りを巻き込んでITを推進するものです。相手の立場に立って業務ややりたいことを理解したり、周りを巻き込む力もあると良いと思います。
──IT本部で働く魅力は何ですか?
モダンなITサービスを取り入れていることです。AIに興味がある人には楽しんでいただける環境なのではないかと思います。また、レビュー文化があるので一人で淡々と作業するのではなくみんなで楽しく仕事に取り組むことができます。
──今のメンバーと、これから仲間入りしてくれる方と一緒にどんなことを目指していきますか?
STORES の事業は、個人や中小企業のお商売をITで支えるものです。多様なお商売がある世界を、仕事を通して支えていきたいと考えています。
私は、旅行先で味のある個人経営のお店に入るのが好きなんです。そのお店で STORES を導入していただいているのを見つけたらものすごく嬉しい。私たちが提供するプロダクトによって、様々なお店がある世界を残すこと。そして、それを実現する STORES の仕事を、最先端のITの力で支えることが、私の目指すことです。
写真・文:出川 光
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