身につけたいなと思えたから、GOサイン—新ロゴ制作の舞台裏
CoineyとSTORES.jpが新しいプラットフォーム「STORES」になったのに伴ってそのCIも生まれ変わりました。この大きな「コト」の裏でどんな気持ちが動いていたのか、そのデザインに関わったメンバーにheyで起こった「コト」を聞きます。最終回は、今までの回をそっと見守っていた、heyの経営陣の、佐俣奈緒子(さまた・なおこ)さんにインタビュー。
旧ロゴの延長線上にある案はもともと選択肢になかった
このCIを作ることを依頼した時、デザイナーのマッツ(松本)との関係性もあってかなりカジュアルだったのを覚えています。これはheyという会社を作ってCIを作った時もそうだったのですが、「heyっていうのを作るから、よろしく」「STORESブランドに統合するから、よろしく」と、そんな温度感で依頼した記憶があります。
その時すでに、旧ロゴの延長線上にある案になるイメージはありませんでした。何か全くあたらしいものになるだろうと考えていました。
STORESが支えていくお商売の形は、お店の中だけで起こるわけではないから
STORES.jpの旧ロゴは、家のような形をしたお店のモチーフと文字でできています。でも、私たちがSTORESで支えたいお商売のあり方は、もはやお店や、家や、そういう建物に囲われているものではない。ある時は体験であり、チケットであり、もしかしたら情報かもしれないし、形のないものをお客さんに提供して関係を結ぶものかもしれない。それを表したCIを待っていたんだと思います。
身につけたいなと思えたから、GOサイン
今のCIの原型になる案が出てきた時は直感で「いい着地をしたな」と思いました。これまでと違うものになったから。新しいものができたから、もっと前に進むなと思ったというか。さらに色が決まり、細かい形の調整をするプロセスも、いいなと思いながら見ていました。
いいなと思った理由は、heyのロゴみたいに手で描けるのがいいなとか、ストーリーがいいなとか、説明していけばきりがないですが、何よりも「自分が身につけたいなと思えたから」。よく、紙袋でもTシャツでも、「展示会なら身につけてもいいけど、プライベートではちょっと」というCIってあるじゃないですか。そういうものにしたくなかったんです。ほら、このシンボルって刺繍にもしやすそうだし(笑)。
そういう風に、ある種直感的に「いいね」と言える背景には、いいプロダクトといいマーケティングが相まった時に、たとえ最初は見慣れないものでも人の生活に浸透するという実感があったこともありました。デザイナーはできあがったアウトプットが良いか悪いかに責任を持っているポジションですが、会社としてはいいマーケティングをして認知させていけば良いと考えることができる。メンバーのnoteで背中を押したと言ってくれたという私の発言はそういう背景からきています。
くると思っていた世界が早くきた
このCIの刷新をしようと考えたのは去年の10月頃のことですが、社会状況の劇的な変化によって、お商売をとりまく環境の変化も思ったより早く起きています。こういう世界がくると思っていたけれど、思ったより早くきた。新しいお商売をする人と、お客さんの間をテクノロジーでつなぐSTORESに、このCIが寄り添ってくれたらいいなと思っています。
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(聞き手・執筆:出川 光)