クラシック音楽からエンジニアに転向。横展開への期待が STORES で働く楽しみ
STORES 予約 のエンジニアを務める開朝彦さん。もともとはクラシック音楽のチェロ奏者をしていました。独学でエンジニアになり、STORES に入社したきっかけは何だったのでしょうか。これまでのキャリア、現在取り組んでいる技術負債の返済プロジェクトなどについてお話を聞きました。
クラシック音楽家から独学でエンジニアに転向
──今日はよろしくお願いします。STORES Peopleのインタビューは、これまでのキャリアなどからお話を始めることが多いのですが、開さんは面白いご経歴ですね。もともとクラシック音楽をやられていたとは。
そうなんです。音大でチェロを勉強しつつ、クラシックの中でも古楽器と呼ばれるジャンルの、ヴィオラ・ダ・ガンバという楽器を弾いていました。弦がスチールではなく、ガットという羊の腸でできているんですよ。それをやりたくて、音大を卒業後にドイツに渡り、ヴィオラ・ダ・ガンバという楽器などの奏者をしていました。
── STORES のVPoEであるさとだいさんこと、佐藤大介さんもチェンバロ奏者ですよね。
そうなんですよ!体験入社の一番最後にGoogle Meetでお話をしたのですが、音楽の話になって、バーチャル背景をはずしたら大きなチェンバロが後ろにあって驚きました。
──これも何かの縁なのかもしれないですね。そこまで本格的に音楽をやられていて、どうしてプログラミングにご興味を?
はじめは趣味として独学でプログラミングを練習していました。みんなが楽譜を読んでいるのに、ひとりで技術書を読んで知識を深めていました。いつか副業になるかもしれないと始めたものでしたが、いつのまにか本業になっていましたね。やりたいと思ったらとりあえずやってみようという性格のおかげかもしれません。
──その独学で身につけた知識で就職するというのもすごいですよね。学び方の筋がいいという感じがします。
運でしょうね。はじめはIT系のニュースサイトを運営する会社に入ったのですが、その頃まだドイツにいたので、面接をSkypeで受けたんですよ。リモートワークも浸透していない頃に、オンラインの面談でよく採用してくれたなと思います。
──それで本格的にエンジニアとして働き始めたのですね。
はい。そこではRailsを扱っていたのですが、フロントエンドをやりたくなって、転職や副業を経て現在に至るというわけです。
入社の決め手は体験入社
──バックエンドからフロントエンドまでやられていると、引く手あまただったのではないかと思います。 STORES に入社された決め手は何でしたか?
体験入社だと思います。たいていの会社の面談プロセスは、チームの何人かとカジュアル面談をして、簡単なテストを行うというものですよね。効率的ですが、実際にどうやって働いているかはあまりわからないなと感じていました。
STORES 予約 のチームには体験入社の制度があり、チームの雰囲気を感じながら1日過ごしてみて「いいなあ」と思ったのが入社の決め手になりました。
──体験入社は STORES 予約 の前身であるクービック社の頃から続いているカルチャーですよね。オンラインで丸一日行うのでしょうか?負荷を感じませんでしたか?
朝から夜の7時くらいまでオンラインで行いました。正直に言えば、カジュアル面談で、次は体験入社があると言われた時には「1日やるのかあ」と抵抗を感じました。けれど、実際にやってみるとそこまで大きな負荷はありませんでしたし、そのおかげで入社を決めることができたのでよかったなと思います。
半年で技術負債を返せばオーナーさんの体験が必ずよくなる
──現在のお仕事についても教えてください。来年の春までに半年計画で大きな技術負債を返すことになっているとか。
はい。これまでは空き時間などで進めていた技術負債の解消ですが、ここでみんなで集中し、一気に返そうという計画です。STORES 予約 のフロントエンドはかなり複雑で、Railsのslimで書かれている部分もあり、Coubicだった頃の負債が溜まっている状態なんです。
──開さんご自身は、レガシーコードを書き直すのもあまり負担ではないのでしょうか。絶対にやりたくないという方もいますよね。
そうですね。もちろん新しいコードを触るのは好きですが、僕はレガシーコードを触りたくないというタイプではないようです。
今は、メンテが十分にされていない箇所はちょっと触れば壊れるぐらぐらのジェンガのような状態で、普段の機能開発にも支障が出るレベル。今後の STORES の横展開も視野にいれると変えたほうがいいのは明らかでした。
本腰を入れて負債を倒すことで必ずユーザーの体験がよくなることがわかっているので、来年の春が楽しみです。
──負債の返済だけでなく、STORES 予約 の開発はドメイン知識をつけるのが大変だと思います。情報のキャッチアップなどをどのようにしたのでしょうか?
確かに決済まわりなど、これまでに経験していない知識が求められる場面は多くあります。そういう時はSpatialChatを活用しています。バーチャルオフィスでお互いに会話をしながら働けるサービスで、何かわからないことがあればバーチャル上で話しかけたり、集まって解決することができます。
──オンラインでわいわい話し合える環境を作るのは難しいので、いい解決法ですね。
Google MeetやZoomなどでは「今から繋ぎませんか」という打診のステップが入ってしまうので「わいわい」という感じにならないんですよね。常に一緒にいる感じがするサービスのおかげでわいわいできているので、働いていても楽しいですよ。
1日の大半を費やす仕事は、楽しいほうがいい
──これまでに STORES で手掛けた仕事で印象に残っているものはありますか?
今ちょうどやっているフロントエンドの負債解消です。STORES予約 のフロントエンドは大体Next.jsで作られていて、あまり手が行き届いていない部分も多々あります。
その中で、もう使う必要がないカスタムサーバーを剥がしたり、不必要にサーバーサイドレンダリングをして複雑度を増しているコードを少しづつ直すなど、地味ながら今後の大規模リファクタリングにつながるような修正を行なってきました。
それをどう対応したかや、どんな成果が出たかを STORES 予約 のエンジニアが集まって発表するんです。
「ここがよかったね」「いい動きだったね」とお互いにフィードバックをする瞬間がチームワークを感じられて、とても印象に残っています。
──お話を聞いていると、わいわい仕事をしたり、チームワークを発揮している時にやりがいを感じられていますね。
そうですね。仕事は1日の時間をほぼ使うもの。「仕事は仕事」と割り切る人もいるけれど、僕は楽しく働けるほうがいいに決まっていると思います。
STORES での仕事は、仕事そのものにやりがいがありますし、STORES 予約 のチームはわいわいした部活感があって楽しい。もし友人に STORES を紹介するとしたら「部活感があっておすすめ」と伝えると思います。
とりあえずやってみる性格だから「論より動くもの」
──STORES のテックバリューの中で、お気に入りのものがあれば教えてください。
「論より動くもの」です。とりあえずやってみる自分の性格にも合っている気がして、お気に入りのバリューです。
STORES はバリューを決めてそのままになっているのではなく、定期的に共有したり、浸透させようとしていてすごいなと思っています。これまでに、バリューが軽視されてしまって一体感が失われてしまった組織を経験したことがあるので、なおさらです。
──なるほど、開さんらしいお気に入りのバリューですね。最後にこれからの展望を伺ってこのインタビューを締めくくろうと思います。これからやってみたいことや、未来のSTORES についてお聞かせください。
技術的なことでは、フロントエンドだけに限らず幅広いことを手掛けていきたいなと思います。もともとちょっと前まで音楽しかやっていなくて、面白そうだからエンジニアになってフロントエンドをやっている人間なので、これからバックエンドをやるかもしれないし、マネジメントをやるかもしれない。肩書や枠に囚われずに面白そうなことをどんどんやっていきたいと思います。
STORES については、何よりも横展開が楽しみです。これは僕が STORES に入社した理由でもあるんです。「STORES というブランドでネットを介したビジネス展開を全てできます」という響きが良いし、実際に「予約」「EC」「店舗」などひとつの選択肢しか持っていなかったオーナーさんが複数のサービスを使えるようになるのが楽しみです。
STORES が大きくなって、横展開をしていく上で、自分が動けることがあれば積極的に動いていきたいと思います。
(写真・文:出川 光)
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