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台湾から日本、デザイナーからエンジニアへ。海とキャリアを超えたSTORESの5年間

朗らかな笑顔で、一緒にいると楽しい気持ちになること間違いなしの蕭 裕美(しょう・ゆみ)さん。デザイナーとして活躍していた彼女がフロントエンドエンジニアになって1年。台湾から日本に渡ったこと、デザイナーになったきっかけ、これまでのキャリアなど、たっぷりお話をききました。

PROFILE
蕭 裕美さん・・・テクノロジー部門/決済開発本部/プロダクトAグループ

2018年に STORES への入社とともに台湾から上京してきました。日本語をテレビで習得しているテレビっ子です。何もしない休日を定期的に過ごすのをとっても大事にしています。

きっかけは台湾で見た日本の雑誌

お話を聞いた蕭さん。STORES で購入したgroup_inou の imaiさんによるトップスで。

──取材の準備をしていて驚きました! デザイナーからフロントエンドエンジニアになられたんですね。

そうなんですよ。これまでもコーディングをすることはありましたが、去年の5月から本格的にフロントエンドエンジニアになり、現在は STORES 決済の開発を行うチームにいます。

──どんなきっかけでキャリアチェンジしたのですか?

私がまだデザイナーをしていた時のことです。フロントエンドエンジニアの採用をしていたチームが採用したい人物像を描いてみると「ゆーみんが近いかも」となったそうで、誘っていただいたんです。私が以前からフロントエンドエンジニアになりたいと話していたこと、UI、UXのことがわかるフロントエンドエンジニアが必要だったこともあり、打診していただきました。ずっと興味があった仕事だったので、嬉しいです。

──それはおめでとうございます! これまでのキャリアについても教えてください。

私は台湾生まれで、台湾の美術大学でデザインの勉強をしたところからデザイナーとしてのキャリアが始まりました。当時は雑誌のデザインをするエディトリアルデザイナーの仕事に憧れていたので、情報を設計したり、広告を作ったりする勉強をしていました。雑誌のデザインに興味を持つようになったのは日本の雑誌がきっかけです。大学に入る前、日本のバンドが好きだったので、日本の雑誌だけを扱う書店で働いていました。そこで「STUDIO VOICE」などの雑誌を見て、いつか日本で雑誌のデザイナーになりたいなと思ったのです。

──日本と台湾のデザインは、似ているのでしょうか?

私が学生だった頃までは、台湾のデザインは日本のデザインの影響を大きく受けていました。つまり、日本っぽいデザインが良いとされていたのです。ここ10年くらいで変化があり、台湾らしいデザインも増えてきました。

──ここ10年でも変化があるんですね。 それで、大学でデザインを勉強された後は日本へ?

いいえ。日本に留学できる奨学金に挑戦していたのですが、失敗してしまって。悔しさのあまり勢いでオーストラリアにワーキングホリデーのビザで渡りました。塾の清掃員、移動遊園地、農業でりんごの収穫など、いろんなアルバイトをして、楽しかったなあ。一通り自由を謳歌して、いい加減ちゃんと就職しなければと台湾でデザイナーになりました。3、4年くらい働いた後「そろそろ日本に行ってもいいんじゃないかな」と日本で働ける会社を探し、STORES (当時のhey)に入社することが決まって日本に来ました。

──STORES の入社の決め手は何でしたか?

日本の会社はかなり怖いイメージがありました。台湾で情報収集をした時に「日本の会社は茶髪はだめ、眼鏡も良くない」と書かれているサイトを見たのです。それで、毎回シャツを着て、コンタクトにして、眼鏡なしで面接に臨んでいたのですが、STORES の面接の時は時間がなくて、眼鏡をかけたまま出てしまったんです。「もう終わった」と思いました(笑)。

ところが、その選考の結果は合格。それからもどんどん STORES の自由な雰囲気に触れて、どうやら自分が持っていたイメージと違うことが少しずつわかってきました。日本での就職を決めた時には別人になる覚悟でいましたが、想像しているよりも自由に、自分らしくはたらけそうなことが入社の決め手になりました。

──実際に入社してみて、いかがですか?

想像以上に自由でした(笑)。けれどこの自由さは、日本でも珍しいということは入社してしばらく経った後に知ったんですよ。今でも、ネイルサロンやヘアサロンで、「会社は大丈夫ですか?」と聞かれるたびにそれを実感しています。どんなネイルでも髪色でも、躊躇なくできていますから。

──言語の壁や、入社してみてギャップを感じたことはなかったのでしょうか。

言語の壁は、一度英語が公用語の会社ではたらいた経験があったのであまり大変だとは感じませんでした。ギャップを感じたのは......友達ができたこと。あまり友達がたくさんできるタイプではないので期待していなかったけれど、入ってみたら周りのみんながとても優しくて驚きました。日本の寒さだけは、まだ慣れません(笑)。

技術書は日本語で。フロントエンドの勉強は続く

──これまでの仕事で、大変だったことはありますか?

強いて言うなら、今が一番大変です。フロントエンドは、まだわからないことばかりで。STORES は優秀な人が多いので、追いつくのが大変です。

──あらたにエンジニアリングを学ぶのは大変そうです。どうやって勉強しているのですか?

基本的な知識は技術書から得ています。これは日本語のものを読んでいるんですよ。私にとっては、技術と、それに対応する日本語を別々に覚えるよりも、このほうがやりやすいからです。仕事中に行き詰まってしまったら、チームの人に聞けばすぐに教えてくれます。Slackで聞けばその日のうちに返してくれますし、朝会で質問して教えてもらうことも。みんなとても優しくて、「調べればわかるよ」なんて言われたことがないんですよ。

──チームはどんな構成なのですか?

最近、STORES 決済のエンジニアチームは、バックエンドとフロントエンドの統合がありました。マネジャーは内立さんで、いつも適切なアドバイスをくれて、解決策を一緒に考えてくれます。内立さんのスキルから学びながら、優しいメンバーに支えられてなんとか仕事ができています。

力技のコーディングが叶えた「heyMAGAZINE」

──印象的だった仕事はありますか?

入社してすぐに手がけたheyMAGAZINEです。最初の仕事だったし、デザイナーとしてエンジニアリングをまかせていただいたのも印象的です。こうちゃんやちゃんたくと一緒に仕事をしたのも、刺激があって、楽しかった。

──手の込んだデザインだったので、どうやって作っているの? と聞かれた記憶があります。

heyMAGAZINEの裏側は、シンプルなブログシステムで、簡単な機能しかなかったんですよ。背景は白のみ、画像を貼る機能くらいしかない。けれど、デザイナーのちゃんたくが出してきたデザインは雑誌のような複雑なものでした。それを無理やり実現させるためにあれこれ考えたのが楽しく、一番思い出深いかも。力技のようなコードをたくさん使っているんですよ。

常に冒険をしているような会社

──今年で入社して5年目を迎えるんですね。今の STORES を一言で表すならどんな会社でしょうか。

STORES は新しいことが起き続けている会社。ずっといる私は慣れすぎていて気づかないこともあるけれど、常に新しい冒険をしようとしていて、変化に富んでいます。それは変化が激しい時代に挑戦しているという証拠。さらに、自由に柔軟にはたらける環境でもあります。組織が大きくなっても、常に  STORES らしい優しい人に囲まれてはたらけているのに感謝しています。

──そんな STORES で、これからやりたいことはありますか?

少しずつエンジニアリングができるようになってきたので、いつかはデザイナーの仕事を楽にするようなツールやFigmaのプラグインを作れたらいいな。元デザイナーの視点を活かして、何か作りたいけれど、まだアイディアの段階です。

──いいですね。それよりもっと先の構想もあるのでしょうか?

いつかはヨーロッパに行ってみたいな。特に、日本とは社会の仕組みが全く違いそうな北欧が気になっています。ヨーロッパの仕事観は、日本のそれとは違ってさらに自由なのだそうです。私もそれに触れて、いつかもっとわがままに生きてみたいなと思います。

(写真・文:出川 光)

蕭さんのお気に入り:漁師ばい 平国丸
トップに乗っているカバー写真に一目惚れして。魚も全部美味しかったです!やっているYouTube の平国丸チャンネルが大好きで、疲れた時見ると涙が出ちゃう(笑)。

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