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STORES 予約 の未来と強さ ──佐藤裕介・倉岡寛対談

STORES 予約 についての立ち上げから未来までを聞いた第一回STORES  予約 の現在にフォーカスした第二回と続いた STORES 予約 を掘り下げていくシリーズ。その締めくくりに、今回はhey代表の佐藤裕介さん(以下、さ)と STORES 予約 のこれからと、強みについてお話を聞きました。

予約は圧倒的な利便性のある「神行為」

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──前回のインタビューでは、STORES 予約 の立ち上がりから可能性までを倉岡さんにお伺いしました。お二人揃ったところで改めて STORES 予約 の魅力、そして未来について聞いてみたいと思います。

さ:STORES 予約 の凄さにはふたつ観点があります。ひとつは、予約という行為の圧倒的な利便性。オーナーさんにとっては、誰がいつ来るかわかる、人数がわかるなどの顧客情報が事前にわかるという利点があるし、お客さんにとっては待たないで入れる、自分にぴったりのサービスを受けることができるなど、接客や来店の体験がさらに良いものになるという利点がある。つまり誰から見てもマイナスがひとつもない圧倒的に便利なことなんです。ただし、予約という行為は洗練されていなくて、雑誌を見たり検索をしたりして、電話し人と話すという手間を未だにかけている。テクノロジーでこれを解決しようというテーマを起業時点で選んでいる倉岡さんがすごい。

もうひとつは、コロナで売上の過半がデジタル経由になった大手アパレルさんが出たように、EC化率が上がっていくと小売店への来店目的が変わるということ。商品購入のために来店しているのが、店員さんと話しに行く、アドバイスを受けたり試着をして買うことが目的になる。これが当たり前になれば、現在は来店予約を行っていない小売店で予約を導入するタイミングが必ずくるでしょう。

く:その通りですね。フィットネスやマッサージ、エステなどのすでに顕在化している需要だけでなく、これまで顕在化していなかった市場が予約を導入し始めるようになると思います。理由は異なりますが、「密」を避けるために小売店で来店予約を導入されるようになりそれが市場を広げているのも事実です。

お商売のありかたはどう変わる?

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──来店予約が当たり前になると、お商売のありかたにも変化があるのでしょうか?

さ:不幸なミスマッチが圧倒的に減ると思います。以前買い物に行った時、ウィンドウショッピング中と思われる女性と、買い物する気満々の僕がいて、店員さんはずっと女性の方に話しかけていたんです。女性はゆっくり商品が見られず迷惑そうでしたし、僕は僕で人見知りなので接客してほしいのに声をかけられなかった。こんな不幸なミスマッチは予約でひっくり返すことができる。こういう接客の混線は予約によって整理されると思います。

く:実際に STORES 予約 を導入してくれているお店に寝具屋さんがあります。寝具は購入のために丁寧な接客が必要な商品なので、事前に需要を把握しておき、必要な人数のスタッフを準備しておくことでこのような混線をなくすことができているという話をオーナーさんから伺いました。予約を導入していなければ、何人が接客を必要とするのかもわからないですし、どの人が寝具を買いに来ている人で、どの人が見ているだけの人かの区別もつかないですからね。

さ:お店、ゆっくり商品を見たい人、接客してほしい人、全員が損するところを予約という行為が全員を救うという強烈な便益があるわけです。

「予約3.0」について考える

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──予約システムそのものがこれからどんな進化をとげるのかについてもお伺いしたいです。

く:僕は最近未来の予約システムってどういうものになるだろうと考えることがあります。決済システムの進化が、現金からクレジットカードへ、そしてアプリ決済を経てAmazonGOのような対面での決済すらいらないシステムへ進化しているとしたら予約の場合はどうだろうと。ネットで予約することすら面倒になると、自分の予定をどこかに登録しておいて、空いている時間をもとに店舗を勧められるのが「予約3.0」なのかな、なんて。

さ:神行為であるはずの予約がまだまだ一般化していない背景は、予約という行為のめんどくささ、摩擦にあります。これをテクノロジーで解決できるのが倉岡さんなんだな、と。

く:まさに僕らの目指す「めんどくさいをなくす」ってことですね。

STORESで「予約」システムを提供することの強み

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──最後にちょっと嫌な質問をしますが、予約システムは他にも競合があると思います。そのなかで STORES 予約 の強みはどんなところにあるのでしょうか。

く:STORESブランドの中で予約システムを展開することに尽きると思います。単体のサービスとして機能面を磨いていくのは大前提ですが、機能は開発工数さえかければ同じことができてしまいます。本当に僕らにしかできないのは、EC、決済、現在仕込んでいる新規事業と連携して予約システムを提供すること。予約されたオンライン接客とECが連携して物を売ったり、在庫を連動させたり。STORESの他のサービスと連動した時の価値こそがオリジナリティだと思っています。

さ:僕らheyが見ているのは、すでに顕在化している需要や、予約を効率化するという現在の課題解決だけではなく、未来の需要に対してソリューションを作るということ。これから、EC、決済、予約、事前のモバイルオーダー、スマホによるテーブルチェックアウト、オンラインデリバリーなど、もはや商取引の種類、そしてオンラインかオフラインかという境目はどんどん曖昧になっていきます。オーナーさんが抱えるお商売に関する課題に対し、ソリューションを一括で持っていることが何よりの強みになるのです。

(文:出川 光)

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