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未来の常識を、 STORES 予約 が作る

STORES 予約 の前身であるCoubicを起業して作り、heyで執行役員を務める倉岡寛さん。STORES 予約 に、今取り組む魅力について聞きました。

ボタン一発で予約ができたら

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──今回のインタビューではあらためて STORES 予約 の魅力や可能性をお伺いしたいと思っています。倉岡さんが STORES 予約 を立ち上げたのはなぜなのでしょうか?

STORES 予約 の前身であるCoubicが誕生する前、予約といえば電話予約がメインでした。電話であかの他人と話をして時間調整をすることが、個人的にとても苦手だった。電話に出てもらえないことも嫌ですし、引越しの予約などだと折り返しで営業電話をされたりしますよね。一方で、インターネット業界では「ボタン一発で」何かができるサービスが台頭していました。ボタンをポチ、っとするだけでなんでもできてしまう世界観に魅力を感じて、予約領域でそれをやろうと思ったんです。

──当時も予約するウェブサイト自体はありましたよね。それでも勝機があると思ったのでしょうか?

サロン予約、飲食店の予約、宿泊の予約など様々なサービスがあったことは事実です。けれど、それらと STORES 予約 が違うのは一見小難しそうな予約システムを、本当に誰でも簡単にセルフサーブで導入できるようにしたことです。最初はその差が伝わっていなかったのかもしれませんが、個人やスモールチームでお商売をする方が増えたことでその価値が伝わり始めてきた実感があります。ただ、当時から勝機があると思っていたかと言われれば「なんとかなる」という気持ちのほうが強かった面がある。ちょっと勢いで起業したところはありますね。

──勢いですか!

僕自身がプロダクトアウトの考え方を持つ人間なので、必要だ、あったほうがいい、だから作ろう、というシンプルな理由で起業しました。

──現在はその時構想した価値が認められてきたという実感はありますか?

かなりありますね。オンライン、リモートの価値が見直された今、オンライン接客からの購入、来店予約など、今まで想定されていなかった用途含めて、予約の出番があるということが伝わり始めた、という実感はあります。

コロナ禍であらわになったオンライン接客のニーズ

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──それは、やはりコロナ禍の影響なのでしょうか?

いえ、この波はコロナ禍がやってくる前の2019年くらいから感じていたものでした。SNSを活用して集客をしたり、オンラインサイトを構築して物を売ったりという人が増えてきたのです。感度の高いオーナーさんは、このあたりから予約サイトについても「自分でやればいいじゃん」という感覚で、プラットフォームに毎月多額の支払いをしないで独自の予約システムを導入し始めていました。

──感度の高いオーナーさん、というのはどんな方たちなのでしょうか。

言葉では言い表しづらいですが、広告を出すよりもSNSに力を入れる、楽天やAmazonに出品するよりも STORES を使って物を売ろうとするような人たちです。大手プラットフォーマーに頼らなくても自分たちで顧客から情報を集めたり相互にコミュニケーションしてお商売に役立てていけることにいち早く気づく人たちとも言えるかもしれません。

──なるほど。波は2019年から徐々に来ていたとして、コロナ禍によって大きく変化したことはありますか?

店舗予約だけではなく、オンラインレッスンや来店予約、オンライン接客などこれまであまり馴染みがなかったものが一気に求められるようになりました。それに伴って、STORES 予約 そのものの使用数もぐんと上がりました。サービスをローンチしたのは2014年のことでしたが、そこから5年経過した2019年に入った予約数の、3倍もの予約数が2020年に入っています。

──緊急事態宣言の発出中にオンラインへの切り替えを行ったオーナーさんも多かったとか。この時のお話も聞きたいです。

コロナ禍により多くのオーナーさんがダメージを被りました。初めての緊急事態宣言が発令される前から「そもそも商売が成り立たなそう」という切実な声や状況を見聞きしており、オーナーさんのお商売が成り立ってはじめて存在しうる我々の事業にも冬の時代が来ると覚悟していました。ところがいざ緊急事態宣言が発令されると、今度はものすごい量のお問い合わせを頂いたのです。我々のプロダクトが提供している、予約や決済機能を使って、オンラインレッスンやオンライン接客を通じたお商売への転換をされようとしているオーナーさんが大勢いらっしゃったことが理由でした。その時初めて、自分たちのプロダクトにそのような利用用途がある、ということを知りました。そこから、そのようなオーナーさんのお役に立てるのならば、ということで急遽ロードマップを変更して Zoom 連携機能を開発したり、プロダクトの無料化などを行ってまいりました。そのような経緯を経て、現在でも幅広く利用いただけるようになっております。自分たちはオーナーさんに学ばせていただきながらプロダクトを開発している、ということを改めて実感する出来事でした。

──この一連の流れで倉岡さんはどのように感じられましたか?

自分の予想も超えてしまうくらい、世の中のたくさんのサービスに、「予約」、というより、人とサービスの時間をスムーズにマッチングする行為、というものが求められているんだな、という実感を得ることができました。これまで使っていただいていた店舗の来店予約だけでなく、接客も、オンラインレッスンもたくさんのサービスにおいて求められているんだなと。

個のエンパワメントのために

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──オーナーさんにとって、オンラインに移行するメリットは単に便利になる、オンラインで完結すること以外にもう少しあるような気がします。

商圏が一気に広がることだと思います。必要にかられてオンラインへ移行したオーナーさんも少なくないと思いますが、オンラインに移行したことでその店舗をかまえているエリア外にもいっきに商圏を広げることができる。実際に地方の人気店だったものが今は全国各地からオンライン接客の予約が絶えず商圏を一気に広げたというオーナーさんにもお話を聞いたことがあります。

──なるほど。さきほど「感度の高いオーナーさんは」とおっしゃっていましたが、これからはマジョリティ層も個々に予約システムを導入する時代がやってくるのでしょうか?

そうですね。個の時代になればなるほど、集客、予約情報の管理、それをベースにした顧客情報の管理が求められるようになっていくと思います。僕らはAPIの公開も行なっているので、オーナーさんが顧客管理などを全て自分たちでやりやすい環境を提供している。他の STORES のサービスはもちろんのこと、他のサービスと一緒に使えば、お商売をまるごとデジタル化することが簡単にできます。そして、これからはそれが当たり前になる未来がやってくるでしょう。お商売のデジタル化のお手伝いを我々はおこない、オーナーさん自身のオリジナリティがいかんなく発揮できる状態をつくること。それが我々が実現したいと思っている世界観です。

10年後の世界と予約

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──これから目指していることを聞かせてください。

僕らが目指しているのは単なる便利な予約システムを作ることではありません。先に申し上げた、お商売をまるごとデジタル化し、お商売のありかたそのものをアップデートしていくことです。例えば10年後には、予約なしに来店するほうが珍しい、ともすれば無礼とされるような世の中が来るかもしれない。

──なるほど。キャッシュレスが浸透してくると現金を触るのに抵抗があるのと似ていますね。

一度便利になったものは前に戻れないし、そこから新しい常識が生まれてくる。今の目の前にある不便を解消するためにプロダクトを合わせていくのも一つの方法論としてありますが、heyは未来の仮説にプロダクトを合わせています。いつか来ると我々が信じている予約の当たり前を、STORES 予約 を通じて、今作っているんです。

(写真・文:出川 光)

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