「簡単に使い始められて、安心して使い続けられる」。プロダクトオーナーが語るSTORES 決済 のコアバリュー
heyのプロダクト部門、プロダクトマネジメント本部で STORES 決済 のプロダクトオーナーをつとめる谷塚 憲三(やつか・けんぞう)さん。大企業からベンチャー企業の世界に飛び込み現在にいたるまでのお話と現在のお仕事についてお話を聞きました。
大企業人材会社からベンチャーに飛び込み受けた衝撃
——これまでのキャリアからお伺いしたいです。最初はベンチャー企業ではなかったとか?
はい。新卒で大手化粧品メーカーに入社し、その後大手人材会社に入社しました。職種は両社とも営業職でしたね。人材会社で営業をしている時にちょうどリーマンショックが起き、それが転機になりました。
——どんな影響があったのでしょうか。
人材会社にいたこともあり、リーマンショックの影響を受けて職を失い再就職しようとする方々を目の当たりにしたんです。一方で、所属していた会社はまだまだ旧日本的な文化の残る会社でした。このままそこで働いていることに危機感を持って転職を考え始めました。もっと働きたいという欲求もありましたし、ここで変わらなければという賭けのような気持ちもありました。
——それでheyの代表の佐藤さんが取締役でもあったフリークアウトに転職されたんですよね。働き方の変化は大きかったのではないでしょうか。
衝撃は大きかったですね。これまで朝9時に大きなオフィスビルに出社していたのが、勤務時間の決まりはなくビルもマンションの一角でした。「ベンチャー企業は結果を出さなければクビになる」と思っていたので意気込んで朝出社するのですが、会社に誰も来ていなかったこともありました。オフィスの外で携帯を出してテレアポをしていましたね。
——「賭け」で入社されただけあって、意気込みが伝わってきます。
当時のフリークアウトにとっては僕は初めての外部採用だったんです。そのプレッシャーと初めてのネット広告業界に来たことがあいまって必死だったんだと思います。そんな僕の意気込みとは裏腹に会社のメンバーが会社に来てすぐランチに出かけて行ってしまうのを見て「やばいところに入ってしまったな」と思ったのを覚えています。
IT系ベンチャー企業を選んだ理由
——「賭けの転職」をする時、どうしてIT系のベンチャー企業を選んだのでしょうか?
人材会社で働いていた経験からさまざまな企業を見てきました。そこで自分なりにだした答えが「これから生き残れるのは技術を持っていてそれをビジネスモデルに転換できている会社」だと考えました。その軸で募集を行っている会社を探したらフリークアウトの求人を見つけたというわけです。
——確かに、ITという技術を使ってビジネスモデルに転換している会社そのものですね。さらにそこからheyに入社することを決めたのはどうしてなのでしょう?
フリークアウトの子会社で、個人やスモールチーム向けのプロダクトづくりにチャレンジしていたんです。当時はうまくいきませんでしたが、いつかそういうターゲットむけのビジネスをやってみたいと思っていたのが大きな理由ですね。個人やスモールチームの方々が事業を行う上で、仕組みがオンライン化されていなかったり、使いづらさを抱えながらもフィットしないシステムを使っていたりするのに課題感がありました。これからチャレンジできることが多い未上場のフェーズだということも大きかったですね。
ジェネラルに事業を支えるポジションを経て
プロダクトオーナーに
——heyに入られてからはサービスの垣根を超えて様々な領域を手掛けられていますよね。
これも所属する会社にこだわりがないのと同じで、決済でなければ、ECでなければ、などといった垣根を持っていません。heyに入社してからはサービスを問わず必要とされたところでバリューを発揮できるように働いています。フリークアウトで最後のほうは戦略企画を行ったり子会社の立ち上げをした経験が生きて、ビジネスサイドの課題を解決するポジションが多かったように思いますね。そして2020年の8月から STORES 決済 のプロダクトオーナーになりました。
——このポジションにつかれてみて、いかがですか?
まず決済サービスにまつわる知識が全くないのでその壁にぶつかっています。これまでやってきた事業とは全く畑違いなのでわからないことだらけで。
——どんなアプローチでつかんでいくのでしょうか。
これまでは、数字を見たりドキュメントを読んだりして概要を掴んでいくアプローチをとっていたのですが、今回は実際に売り場に出向いてお客さまの話を聞いたり、提携しているサービスの人の話を聞きに行ったりするやり方も取り入れています。heyではたらくメンバーに影響を受けて学んだ部分です。
——数字と現場の両面からインプットをして整理していくんですね。
3年後も変わらない事業のコアバリュー
——プロダクトオーナーはどんな仕事なのでしょうか。
事業のためになることであればなんでもやるポジションだと思っています。プロダクト側の課題があればそれを解決するし、ビジネスサイドからのアプローチで解決できることがあればそれも行います。これしかやらないという制限を作らずに、やったほうがいいことを積極的に提案するのも僕の仕事ですね。具体的な仕事でいうと、現在取り組んでいるのは3カ年の計画づくりです。
——どんな計画なのでしょう。
私たちの提供価値とターゲットを明らかにした上で、どうやってビジネスを伸ばすかの道筋を描いたものです。内容はシンプルで、何かすごい機能をつけようとか、ダイナミックな方向転換をしようというものではありません。「簡単に使い始めることができ、安心して使い続けることができる」ことをコアバリューに、加盟店さんが求めていることを実直に行っていく計画になっています。使いたいクレジットカードが使える、止まらない、安定している、などの基本的な価値を提供できてから、新しい価値を考えていくべきだと思っています。
提供しているビジネスモデルが長期的であること
——このような「新しい日常」がやってきて、計画を立てづらくなることはないのでしょうか?
大きな変化を余儀なくされたことは確かですが、長期の目線で考えたときに、無理にやるべきことを変更する必要は今のところないと考えています。これは、heyの事業特性上、ビジネスモデルが短期のものではないことが大きく影響しています。さらに、決済、EC、予約と3つのサービスを持っているためお互いに補い合える関係を作っていたことも大きかったですね。プラットフォーム全体で考えれば、無理やり舵を切る必要がなかった。3社が統合したことの最大のメリットと言えるのではないでしょうか。
——なるほど、実店舗、オンラインなどを横断するSTORESプラットフォームの特性のおかげで急激な方向転換を免れているんですね。
STORES 決済 と描くこれからの未来
——STORES 決済 のプロダクトオーナーとして、これからどんな未来を実現したいと考えていますか?
オンライン決済の強化や請求書の電子化などやりたいことはたくさんありますが、個人的にSuicaが大好きな僕としては STORES 決済 があることで電子マネーをどこでも使える社会にしたいなと思っています。コンタクトレスで決済できる場面がもっと増えていけばいいなぁと。「簡単に使い始めることができ、安心して使い続けることができる」というコアバリューを提供した上で、もっと便利でスマートな社会が実現するのに一役買えれば嬉しいですよね。
——個人的な夢などもあったら伺ってみたいです。
それはね......体育館を買うことなんです。バスケットボールが趣味で社会人になってもずっとやっていたのでいつか体育館を買いたいと思っていたんですよね。あんなに大きいリアルな場を生かしたビジネスをやるというのも面白そうだし、スポーツ産業にも興味があります。まぁ本当は、バスケをやりたいだけなんですけどね(笑)。
お話を聞いた時はちょうど3カ年の計画づくりがひと段落したところで、「抜け殻みたいになっています」と話していた谷塚さん。「STORES 決済 ですべての決済をコンタクトレスにしたい」と語ってくれた未来が実現するのが楽しみです。
谷塚さんのお気に入り:コスモテック サンプル直売所
箔押し職人のこだわりと情熱、そして技術力。そこに突然遊び心が融合しちゃってます。実際に商品を手に取ってみたときの箔押しの美しさと、なんとも言えないワクワク感はぜひ体験してもらいたいです。
(写真・文:出川 光)
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