入社してすぐ任されたショップフォースのPMI。 STORES ブランドアプリ をリリースするまで
2021年の10月に入社してすぐショップフォースの仲間入りという大役を任され、 STORES ブランドアプリ のリリースを成功に導いた内田皓大さん。これまでのキャリアやheyでの仕事、そして理想の世界のありかたまで。さまざまなお話を聞きました。
任されたショップフォースの仲間入りと、これまでのキャリア
──今日はよろしくお願いします。早速ですが、内田さんはheyに入られてからのお仕事が少し特殊ですよね。まずは現在のお仕事と、入社してからどんなお仕事をされて今に至るのか教えていただけますか?
現在の仕事はCRM事業部門の事業責任者です。2021年の10月にheyに入社し、その直後から現在の事業部の前身であるショップフォース株式会社(以下、ショップフォース)に出向になりました。当時、ショップフォースがheyの仲間入りをすることはすでに決まっていて、PMI(※)を進めながら、STORESブランドとして新しいプロダクトをリリースさせることが私の役目でした。
※PMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)とは、M&A(合併・買収)後の統合プロセスのこと。経営統合、業務統合、意識統合の3段階からなる。
──ということは、物理的にheyで過ごされた時間はほとんどなかったということなのでしょうか。
そうですね。heyのオフィスには入社初日だけ研修に行って、次の日からショップフォースのオフィスに行っていました。
──ショップフォースのメンバーにも、複雑な心境があったのかと想像します。
ショップフォースの皆さんからすると、不安が大きかったと思います。heyのこともまだよくわからない上、仲間入りした後のことも明確に想像できない状態だったのではないでしょうか。さらに、そこにheyに入社したばかりの私が送り込まれてきたのですから。
──実際に内田さんが感じられた雰囲気はどんなものでしたか?
網永社長をはじめとしてすごく優しい方々ばかりで、温かい雰囲気だなと。一方で、当然のことながら私に対する気遣いや距離、警戒心のようなものを感じることもありました。なので、先ずは仕事云々の前に、私自身が人として信頼してもらうことを心掛けました。毎朝オフィスに一番に出社して全員の顔を見ながら挨拶をしたり、入社してすぐに全員と1対1でランチに行ったり、困ってそうなことがあればどんな些細なことでも積極的に拾ったり。「チームを良くするために仲間になりたい」という姿勢で、守備範囲を決めずに取り組んだつもりです。
とはいっても、ショップフォースには網永社長が作ってこられた強固な基盤がありました。それに加えてCTOの藤村さんやエンジニアの上杉さん、卜部さん、PMの淺田さんといった心強い方々も一緒でしたので、私はあくまでも黒子として、事業や組織が前に進みやすくなるよう、小さな障害を一つずつ取り除いていっただけです。
──内田さんの存在があって、ショップフォースがheyに仲間入りし、 STORES ブランドアプリ のリリースを果たせたんですね。ここからは、これまでのことや内田さんご自身のことも少し教えてください。前職は人材事業などを手掛ける情報サービスの最大手で、住宅事業などを手掛けていたとか。
はい。新卒で入社した会社では、法人営業・事業企画・営業企画などの複数の職種と、規模感やビジネスモデルの異なる事業を幾つか経験させて頂きました。将来を見据えた時に成長できる環境、具体的には若い内から「質の高い意思決定」を間近に見る・自分でも下すことのできる点に惹かれて入社させて頂いたのですが、期待以上の環境でした。常に主体性を問われる文化の中で、ビジネスパーソンとしても、人としても、たくさんの学びがありました。
──かなり厳しい環境で働いていたのではないかと思います。成長したいと考えていたのは、なぜなのでしょうか。
いずれはプロ経営者として、日本の国力を引き上げるような仕事がしたいと考えていたからです。今もその目標は変わっていませんが、自分の成長を目的に仕事をすることは早いタイミングでなくなりました。事業やメンバー、お客様ありきで、自分の成長はあくまでも副次的なものだと思っています。
──なるほど。何かきっかけがあったのでしょうか。
一番のきっかけは、既存事業を撤退させた際の経験です。理由はさまざまですが、歴史と可能性のある事業を、自分の手で畳まざるをえなかった経験は苦しいものでした。経営陣への合意、事業を畳む過程におけるお客様への説明、組織に携わってくださっていた方々への共有など、今でも話をした際の相手の顔をはっきり覚えています。そこからは、どんな時でも事業を主語に、自分自身を事業のリソースの1つとして捉えるようになりました。
──そのような貴重な経験を得られる場所であれば、離れてしまうのは惜しいような気がします。
確かに恵まれた環境ではありました。一方で事業を畳んだ際の経験から、逆説的ではありますが日本の中には可能性に溢れた事業がもっと眠っているのではと考え、そうした会社・事業の変革に資する仕事がしたいと思うようになりました。たまたま年齢的な節目もあって、自ら機会を創る上でも転職することを決めました。
──すごいバイタリティです。そのようなモチベーションは、どこから湧いてくるのでしょうか。
特にモチベーションが高い低いという意識はないんです。強いてあげるとすると仕事観からくるものだと思います。幼少期から「仕事は世のため人のためにするものだ」という言葉を口酸っぱく言われてきました。今になってその意味を自分なりに捉え直すと、「人や事業の可能性を解き放つこと」であり、そのために然るべき場所で惜しみなく力を注ぎ、自分を高め続けるという使命感のようなものに繋がっていると考えています。
単純に、人や事業が持つ可能性に魅力を感じ、その可能性が解き放たれる瞬間を見ることが好きなんです。会社や事業は「誰が舵を取るか」で大きく左右されますし、自分がそこに貢献できるのであれば、こんなに幸せなことはないなと。
また、学生時代にスポーツをやっていた際に病気になり、長い間満足に練習ができない経験を味わったことも理由のひとつかもしれません。努力したくてもできない状態になってしまって、とても辛かった。その反動があるのかもしれません。
──努力を惜しまないタイプなんですね。
成功するまでやめないタイプ、ですかね。それを努力だと感じたことはあまりないんですけどね。
キャリアの転機とheyに入ったきっかけ
──heyに入られたきっかけはどんなものでしたか?転職活動をされたのであれば引くてあまただったのではないかと思います。
はじめは、たまたまご縁を頂いた他の会社へ進むことを考えていました。けれどある時、たまたま「heyの代表の佐藤さんに会ってみないか」と人伝てにお声がけ頂いたんです。「こういう時じゃないとお会いできないな」と思い、オンラインと対面で複数回お会いしまして、気づいたら入社していました。
──heyに入社される決め手になったのはどんなことだったのですか?
複合的で、3つほどあります。
1つ目は、働く方への尊敬の念です。経営陣をはじめとして起業されている方が多く、私はそういった経験がないので率直に凄いなと。また、入社前にはheynoteを隅々まで読んだのですが、温かい方々ばかりで、顧客志向が根付いている組織だなと感じたためです。
2つ目は、ミッションへの共感です。努力は夢中に勝てないと言いますが、個々人のこだわりや情熱にbetする「Just for Fun」という経済圏が大きくなることで、日本全体がよくなるイメージが持てました。
3つ目は、事業フェーズへのフィット感です。「企業・事業組織の変革に資する仕事がしたい」と考えていた中で、CRM事業部の大きな可能性と、そこに相反する修羅場のようなものに惹かれました。
ポジションやタイトルの有無は、あまり気にしませんでした。先ずは皆さんから信頼頂き、実績を積み重ね、没頭できた先に「事業責任者」という役割がある方が嬉しいな、と。
STORES ブランドアプリ のリリースを経て
──無事に事業責任者を任され、先日 STORES ブランドアプリ のリリースも行われましたね。改めて、 STORES ブランドアプリ を内田さんの言葉で説明するとしたら、どんなプロダクトなのでしょう。
自社アプリを軸に、顧客管理とマーケティングオートメーションまでまるっと提供できるCRMプロダクトです。具体的には、実店舗とデジタルに分散(マルチチャネル化)したユーザーの購買行動を一元管理し、それらの情報をもとにした顧客最適な1to1コミュニケーションを実現できる。その結果として、ユーザーのロイヤリティ・LTVの向上を通じた収益貢献に繋げていくことを目指しています。
──リリース直前は鬼気迫る様子が伝わってきました。リリース日程も少し延ばしていましたが、どんな舞台裏だったのですか?
やはり見える物ありきでないとリリースができないと思っていました。すでにこのサービスを使ってくださっている会社さんを紹介できることや、他社と差別化できる機能がお披露目できないのであれば、リリースする意味がない。heyがこのサービスを出す意義や価値が明確で、言葉と実態が伴った形でないと発信できないと考えたためです。
──そうしていよいよリリースを迎えた時、どんなお気持ちだったのでしょうか。
ここからだな、と身が引き締まる想いでした。 STORES という名前を冠してサービスを世に出していくからには、heyの価値観に添った事業の推進が求められます。これまで事業を育ててくれたショップフォースの皆さんのためにも、このチームと事業に賭けてくれている仲間達のためにも、期待してくださっているオーナーさんのためにも、甘んじている余裕はないなと感じていました。今もその気持ちでいます。
──なるほど。これからの STORES ブランドアプリ に、どのような未来を描いているのでしょうか。
アプリを使うかどうかに関わらず、CRMという概念はすべてのオーナーさんに必要になってくるものです。自社のサービスや商品を使ってくれるお客様を正しく理解し、適切なコミュニケーションを通じて再購買を促すことは、オーナーさんのお商売の成長・継続に欠かせません。STORES はお商売のデジタル化をまるっと支援するサービスを提供していますが、CRMを通じて、いずれは STORES ブランドを利用される全てのオーナーさんのお商売のグロースに貢献できたらいいなと。現在はアプリの形でサービスを提供していますが、それに止まらずCRMという価値観やあるべきを定義し、オーナーさんに提供していく未来を描いています。
STORES ブランドアプリ の現在と未来
──今日のインタビューを通して、内田さんの圧倒的な努力や成功へのこだわりを感じさせられました。ちょっとだけ、近寄りがたい感じもしましたが(笑)
それそれ! そう思われることが多いのが悩みなんです。私だってだらっとした休日を過ごすこともありますよ。昨日は浴室で雨の音を爆音で流しながら、ぼーっと長風呂していました。
──なんと。意外な一面ですね。そんな内田さんが現在の自分に点数をつけるとしたら、何点くらいなんでしょう。
100点満点中、50、60点くらいですかね。
──低くて驚きました。どうしてですか?
結果的に帳尻を合わせられているだけで、冷静に振り返ると反省ばかりなんですよね。日々のあらゆる意思決定やプロセスについて、「あの時こうしていれば」と思うことが尽きません。例えば今の自分の視座感で半年前の状況に直面していたら、もっと別のアプローチができたはずです。「組織はリーダーの器以上にならない」と言いますが、満足した瞬間に自分と事業の限界が決まってしまいます。
──なるほど。まだまだやれることがあるということですね。
はい。CRM事業部という立ち位置に縛られず、良い組織・事業を創っていきたいと思います。heyはいい意味で、やれることがたくさんある会社。これからが楽しみです。
(写真・文:出川 光)
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