目指すのは「足を使う広報」。STORESで一番、オーナーさんのもとに通う理由
STORES の広報を務める田中絵里さん。「オーナーさんのことなら田中さん」と言われるほど、オーナーさんのもとに通い、自身の足で集めた情報をメディアに伝えています。そんな田中さんのキャリアの始まりは、なんと屋根瓦の問屋さん。これまでどんな変遷をたどってきたのでしょうか。これまでのキャリアや大切にしていること、影響を受けたオーナーさんの話までたっぷり聞きました。
屋根瓦の問屋さんから始まったキャリア
──現在広報の仕事をされている田中さんですが、入社した時は広報ではなかったとか。これまで STORES でされてきたお仕事や、今どんなことをしているか教えてください。
2019年にCoiney(現 STORES 決済)インサイドセールスとして入社しました。それからマーケティングチームを経て、2020年から広報の仕事をしています。現在の仕事は、プレスリリースやニュースレターなど、メディア向けの読み物を作ることがメインです。主に STORES (EC)と、 STORES レジ のリテール部門の情報を発信しています。
──広報とひとくちにいっても、幅広いスキルが必要ですよね。これまでのお仕事でそのようなスキルを磨かれてきたのでしょうか?
前職の経験が、メディア向けの読み物を作る仕事に生かされているかもしれません。前職では岡山の屋根瓦の問屋さんで働いていて、屋根工事店をひとつずつまわってインタビューをし、記事を書いていたんです。
──面白そう! 屋根工事店の取材はどんなものなのでしょう?
屋根工事店の経営者の方は職人気質の方も多く、すらすら言葉が出てくるというよりも、これまで言語化できていなかったことを一緒にしていく取材でした。取材を通してその方自身が新たな気づきを得る瞬間に立ち会えて、話を聞くだけでも役に立てるのだと感じられて、とてもやりがいがありましたよ。
──そこから STORES に転職しようと思ったのはどんなきっかけだったのでしょうか。
取引先の方の中に、東京でドローンアプリを作っている会社の方がいらっしゃいました。お話を聞いているうちに「東京の会社って面白そうだな」という思いが芽生えて。屋根瓦の問屋さんでのインタビューの仕事が楽しかったからこそ、そのスキルを生かしてもう少し幅広い方の役に立てるサービスに関わってみたいと考えました。
——当時の STORES は今よりも規模が小さかったと思います。どのように STORES を知ったのですか?
「ドングリFM」って知っていますか?Podcast番組なのですが、それを聞いていて当時のhey*を知りました。確か「オリジナルのパーカーがかっこいい」という話題だったと思うのですが、それが妙に心に残っていて、東京の就職先を探している時に会社のことを調べてみました。
すると、私が大好きな物づくりや手仕事をされているオーナーさんを支えるプロダクトを出していることがわかったのです。これまでも、アンティークマーケットのボランティアスタッフをしたり、そこで仲良くなった出店者さんを手伝った経験がありました。楽しみのためにお商売をするオーナーさんを支えるというコンセプトにピンと来て、当時オフィスで行われていた会社紹介イベントに参加することにしたのです。
*ヘイ株式会社(hey)は STORES 株式会社 に2022年10月1日より会社名を変更する前の社名のこと。
──イベントや、選考での STORES の印象はいかがでしたか?
イベントで、のちに同じ部署ではたらくことになる先輩に声をかけていただき、雰囲気がよく楽しい職場なんだろうなと思いました。また、noteやメディアに出ている記事を読み込んでいたので、入社してもギャップを感じることはありませんでしたよ。
ゼロから始めた記者会
──これまでに手掛けられたお仕事で、印象に残っているものがあれば教えてください。
STORES レジ の記者発表会です。それまで記者発表会をメインで進めてくれていた同僚が産休に入り、ほぼゼロから挑戦することになったので何から手をつけていいかもわからない状態でした。記者発表会の運営だけでなく、「STORES のレジとは」「オーナーさんのどんな課題が解決できるのか」といった根本的な価値を考えるところから始める必要があり、それはもう大変でした。
さらに、初めてのオンラインとオフラインのハイブリット開催だったのもあってかなり追い詰められていたのを覚えています。Zoomの設定がうまくいかない夢を見るくらい、何度も設定を調整していましたね。
STORES レジ の方はもちろん、ITチームやデザインチームなどのプロの力を借りてなんとか開催ができましたが、それでも反省点は残りました。その反省を生かして、なおかつ今では心強いメンバーも増えて現在はよりパワーアップした記者会ができているので、その出発点として印象に残っています。
── STORES レジ の価値から考えていくところが、田中さんらしい仕事の仕方だなと感じました。
「いかに聞くか」が武器。オーナーさんのところに通う理由
──お話を聞いていると、ひとつひとつの本質をとらえてじっくり進めていくスタイルをお持ちなんだと感じます。田中さんが仕事をされる上で大切にしているのはどんなことなのでしょうか。
「いかに聞くか」を大切にしています。インサイドセールスも、広報で行うインタビューも、いかにオーナーさんの話を聞くかが大切です。よく聞いて、相手のことがわかるからこそ、良い提案や記事を作れるのではないかと思います。
──なるほど。聞くってすごく難しいことですよね。どんなことに気をつけて相手の話を聞いていますか?
これは私の弱点でもあるのですが、自分から話すのがとても苦手なんです。だから、オーナーさんと話していても沈黙の時間が必ず生まれてしまう。けれど、その沈黙があまり怖くないのは私の特徴なのかもしれません。
相手が考えている時間に話さない。言葉を絞り出してくれている時間を待てることが、聞く力につながるのではないかと思います。
──これまでに話を聞いたオーナーさんの中で、思い出に残っているものはありますか?
玄米のおにぎりを売っているオーナーさんです。少人数でやられているお店で、ここのおにぎりがとびきりおいしくて。社内でも話題になっていたので、それをお伝えしながらお店のこだわりなどを聞いていました。
すると、オーナーさんが話しながらぽろぽろと涙を流されて。「こんな小さいところでも、頑張ったら見ている人がいるんですね」とおっしゃって、とても印象に残っています。
オーナーさんからもらうインスピレーション
──田中さんは本当にいろいろなオーナーさんの話を聞きに行っていますよね。
いろいろな広報のスタイルがありますが、私は「足を使う広報」でありたいなと思っているんです。だからとにかくオーナーさんに会いにいくことを大切にしています。例えば、この間は熊本までオーナーさんに会いにいったんですよ。
──熊本までですか!どんなオーナーさんに会いに?
竹製のお箸を作っている「ヤマチク」というオーナーさんに会いにいきました。商品のクオリティもさることながら、取り組みの面白さにとても影響を受けています。
例えば、「中身はみえないけど、顔がみえる福袋」という取り組み。お箸の作り手のスタッフの方5名がそれぞれ中身を選んでいて、そのスタッフの方のお顔とプロフィールを頼りに福袋を選べるというものです。
スタッフの方の年代もキャラクターもそれぞれで、福袋を選びながらヤマチクで働くスタッフの方に思いを馳せることができるのがすごいなと思います。
熊本まで会いに行ったら驚かれましたが、こういう話は行ってみないと立体的に伝えられない。メディアの方にオーナーさんを紹介する時に、実際に行って感じたことやこの目で見た情報を伝えられるように、できるだけ足を使ってオーナーさんに会いに行くようにしています。
好きなバリューは「オールスター」
──STORES のバリューの中で、好きなものはありますか?
今は「オールスター」です。
──「今は」ということは、時々変わるのでしょうか?
ここぞというがんばり時には「デリバリーアニマル」を意識しています。けれど「オールスター」の中に「デリバリーアニマル」の要素が含まれているなと感じています。
──「オールスター」が好きな理由はなぜなのでしょうか。
今所属している広報チームはメンバーが6名いるのですが、それぞれに強みがあります。その強みを生かしてオーナーさんの役に立てるのが嬉しいからです。
さらに、このバリューが私がどんな強みを身につけていくかのモチベーションにもなっています。突き抜けた強みを持っている人が多い STORES で頼られる存在になるために、誰よりもオーナーさんに会うこと。そして、書く力をつけること。このふたつを意識して今年は頑張ってきました。筆力を上げるために、ライティングスクールに通っています。
──オーナーさんの話を聞いて、書ける広報とは、素敵ですね。最後に、田中さんがこれから目指すことを教えてください。
来年は、文章を書くだけでなく、プラスで何かをしたいなと思っています。メディアの方に企画を作って届けるのに力を入れているので、それが来年の目標になりそうです。
もう少し長期的な視点で、プライベートも含めるならば、いつか自分の店を持ちたいですね。飲食店がいいなと思っているのですが、今はまだ構想中です。オーナーさんのお商売を間近で見せてもらいながら、夢を膨らませて、わくわくしている最中です。
(写真・文:出川 光)
\ STORES では一緒にはたらく仲間を募集中です!/