「事業会社のデザイナー」のイメージを変えた STORES。そのデザインへのリスペクトと活躍の機会
STORES のコミュニケーションデザイングループのデザイナーとして、さまざまなデザインを手掛ける遠藤 瑞紀さん。可愛らしいオフィシャルグッズや社内のイベント、新卒入社のメンバーに渡す入社証などさまざまなデザインを手掛けています。そのデザインの背景には、どのような考えがあるのでしょうか。これまでのキャリアのこと、デザインのことなどたっぷりお話を聞きました。
「もっと考えるところから関わりたい」
転職の理由と、STORES を選んだ理由
──デザイナーとして活躍している遠藤さんですが、デザインはいつ頃始めたのでしょうか?
大学でデザインを専攻しました。特に情報の可視化に興味があって、ダイヤグラムという情報をグラフィックに落とし込む手法を学ぶために転科までしたほどです。温度や音などの目に見えないものがグラフィックになることに面白さを感じていて、制作で曼荼羅の情報をグラフィックにして一枚のポスターにしたこともあるんですよ。
その後デザイナーとしてITの事業会社と制作会社に勤め、3社目が STORES です。
──STORES に入社される前の会社でのお仕事はどのようなものだったのでしょう。
一社目では、インハウスデザイナーとしてさまざまなデザインを行いました。ITの会社だったので、ウェブデザインが主でした。二社目の制作会社ではパッケージやイベントのポスター、フライヤーなど紙もののデザインを行いました。自身のスキルアップのため、転職を考えていた時に友人から STORES のことを聞きました。
──STORES にはどんな印象を持っていたのでしょうか。
実は、一社目での経験から事業会社のインハウスデザイナーの仕事にあまりいい印象を持っていませんでした。事業会社でデザインの優先度が低くなるのはよくあることですし、尖ったデザインに挑戦しづらいものだと思っていたのです。二社目では今の自分の仕事につながるたくさんの経験をすることができました。一方で、制作会社の仕事では案件によってはクライアントの課題やブランディングの部分から一緒に考えるのが難しく、フラストレーションを感じていました。決まった要件をもとにデザインするのではなく、もっと考えるところから関わりたいと思っていたのです。
友人から聞く STORES の話を聞くと、STORES という会社は人を大切にしている印象があったのと、事業会社でありながら遊び心のあるデザインに挑戦できる環境という印象がありました。友人が働いていて、さらにその人が楽しそうはたらいていることが決め手になり、STORES ではたらくことを決めました。
──実際に入社してみて、その印象は変わりましたか?
期待していた通りでした。会社の規模が大きくなろうとしている時期であるにもかかわらず、ちゃんと遊び心を忘れずにデザインしようという文化があると思います。デザインに関わるメンバーだけでなく、経営陣や、作るものの方針を決める人の中にデザインへの敬意や遊び心があるのを随所に感じています。
印刷からこだわった
新卒入社メンバーのための入社証のデザイン
──このインタビューでは、みなさんに印象に残った仕事を聞いています。心に残っている仕事を教えてください。
STORES が新卒採用を始めた2022年から制作している、新卒入社のメンバーに渡す入社証のデザインです。毎年デザインのテーマを考え、それを入社証とTシャツなどのグッズに落とし込んでいます。STORES では貴重な、紙もののデザインができるのが印象に残っている理由で、紙質や印刷から考えて遊べるお仕事でした。メンバーごとにテキストや色を変えて制作しているので、けっこうお金がかかっています(笑)。
──素敵ですね。作ったものを紹介していただけますか?
もちろん。これは2022年の入社証のデザインです。初めての新卒採用や、新卒で入社するメンバーへの期待を(佐俣)奈緒子さんからヒアリングし、それをデザインで表現しました。当時の社名は「hey」で、そのロゴは黒。その黒をさまざまな色が重なった一番濃い色と解釈し、同じ黒で作ったその年の新卒採用のテーマ「NEW STANDARD」のロゴから色が飛び出しているデザインにしました。びゅっと風が吹いているような紙の形は、周りを巻き込んで成長していく新卒メンバーへの期待やイメージを反映したもの。それぞれの個性を表現するため、アクセントカラーにはひとりひとり違う色を選びました。
こちらは2023年の入社証とメッセージカードのデザインです。今年の新卒採用のテーマは「NEW STAR」。新卒メンバーの若さやフレッシュさにフォーカスし、デザイナーの瀧野さんとデザインにまつわるキーワードを出しながらアイディアを練りました。その結果出てきた「三者三様」や、宝石の原石のようにキラっとしているイメージをデザインにしていきました。この入社証は、3つを重ね合わせると図版が完成するようになっているんです。3人で力を合わせて成長していってほしいという新卒メンバーへの想いを込めて作りました。この重なりがうまく出るかがとても苦労したポイントで……。印刷会社の方に意見を聞いたり、オフィスで印刷できる紙を買ってきて再現したりと試行錯誤を重ねました。当日新卒メンバーが実際に入社証を重ねて「わーっ」と言ってくれた時には本当に嬉しかったです。
──こうやって社内のものをデザインする醍醐味は何でしょうか。
Slackなどでいろいろな方から反応をもらえることです。入社証を実際に手に取ってもらえて、その様子を見た社内のメンバーがコメントしてくれた時はとても嬉しかったですし、社内の大規模な会議のビジュアルを作成した時に普段業務ではあまり関わりのない部署の方から「デザインよかったです」「ありがとう」と声をかけてもらえていい思い出になりました。
──プロダクト会議、通称「プ会」のメインビジュアルはインパクトが大きかったです。あれはどうやって作ったのですか?
ブレンダーという3Dのビジュアルを作れるソフトで作りました。個人的に最近勉強しているソフトで、まさか仕事に役立つとは思いませんでした。ソフト上でこの顔型の風船を膨らませることができるので、そのシミュレーションの様子をそのままGIFにしたんですよ。
こんな風に会社の偉い人をデザインで"いじって"いいのかわかりませんでしたが、上司に相談したら「わりとやっちゃっていいよ」と言われて、チャレンジしてみました。STORES には、こうして自分が身につけている新しい技術を発表する機会がたくさん溢れているなと感じます。特にデザインなどの表現は、作る人に提案の余地が残されているものが多いのではないでしょうか。
私は良くも悪くも、広く浅くいろいろなことに興味があるタイプなので、さまざまな技術を生かす場が用意されていることにとても感謝しています。
デザインだけに留まらない知識を身につけたい
──これからやりたいことを教えてください。どんなことにチャレンジしてみたいですか?
デザインのスキルアップのほか、絵やイラストを描いてみたいと思います。今年の春に好きなデザイナーさんのワークショップでイラストを描く経験をし、それがとても楽しかったのです。普段パソコンを使ってデザインを作ることが多いので、自分の筋肉を動かし、手を使って何かを生み出すことにとても興味があります。
また、これからはデザインの領域を超えてさまざまな知識を身につけていきたいと思います。STORES がプロダクトを提供しているオーナーさんのお商売のこと、ビジネスのこと、それらの背景にあるさまざまなことまで知って、その上でデザインができるデザイナーになるのが目標です。ビジネスサイドの方とも、エンジニアの方とも関わることができ、手を挙げれば発表の機会が溢れている。今の環境を生かしてどんどんできることを増やしたいなと思います。
(写真・文:出川 光)
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