デザイナーに寄り添い、プロジェクトを推進する。 STORES のデザインにおけるプロジェクトマネジメント
STORES で、デザイナーのプロジェクトの要件定義から制作進行、時には文字校正まで幅広い役割を担う南茂理恵さん。自身もものづくりをしてきた経験からデザイナーに寄り添い、これまでのディレクターのキャリアを生かしてプロジェクトを着実に前に進める頼れる存在です。今回は、南茂さんにこれまでのキャリアから印象深い仕事までをインタビュー。入社半年あまりにもかかわらず存在感を示した、STORES での仕事についても伺います。
芸術学を学び、ものづくりの仕組みづくりを志した
── STORES noteには初めてのご登場ですね。まずは、南茂さんのこれまでのキャリアを教えてください。
大学で芸術学を学び、絵を描いたり作品を作るのではなく、クリエイティブに関する仕組みに興味を持ちました。卒業時に就活サイトを通じてオファーを受け取り入社した1社目では、採用広報の制作物のディレクターをしていました。
その後、ディレクターとしてブランディングとEC構築支援をする会社に就職。入社当時は、隣の席に社長が座っているような小さな規模の会社。それから社歴を重ね、期待に応え続けることで取締役を任されるまでになりました。さまざまなブランドの支援に携わった知見を活かし、著書も2冊出版させていただきました。
その後、大好きなECを軸に、これまでの自分になかったスキルや知見を得られる場所に身を移そうと STORES に転職しました。ECの構築支援会社から、EC構築サービスをプロダクトとして提供する会社に移ることで、これまで見えていなかった視点から小売事業全体の支援ができるのではないかと考えたのです。
サステナブルなビジネスモデルと、
事業者様の商売にコミットする文化に共感
──いくつかあるECを手がける会社の中から STORES を選んだのはなぜだったのでしょう。
まずは、事業内容や働く環境です。事業者様の売上を伸ばすことで自社の売り上げを上げていく、サステナブルなビジネスモデルに共感しました。ECをひとつの軸とした支援事業をずっとやってきたけれど、プロダクト提供側になるのは初めて。事業者様の売り上げにコミットできることのやりがいを強く感じました。また、マルチプロダクト展開により事業の幅が広がっていく将来性も魅力的でした。
そして、背中を押してくれたのは働く人の雰囲気や会社が打ち出すメッセージから伝わってくる STORES のカルチャーです。さまざまなプロダクトを通して事業者様とその商売にコミットする姿勢や、面接で出会った方の温かくオープンマインドな雰囲気に「なんだか気が合いそう」と入社を決意しました。
──入社されておよそ半年。実際に働いてみて、ギャップはありましたか?
ギャップはなく、仕事のやりがいも文化も期待通りでした。一方で、入社前は想像していなかった大変さにも直面しています。例えば、複数の会社が集まってできている会社の特性上、それぞれのプロダクトやチームに独特なルールや文化が残っていること。現在リニューアルプロジェクトを行っているサービスサイトひとつとっても、少しずつ改良を重ねながらまるで建て増し住宅のように作られてきたゆえの難しさを感じています。
クリエイティブへの尊敬と、ビジネスのバランス
──現在の仕事について教えてください。どのような役割を担っているのでしょうか?
デザイナーチームの所属ですが、デザインや何かを作る仕事は行いません。クリエイティブを作る人たちが働きやすい環境を作るために、案件の整理や確認などを行うプロジェクトマネジメントが私の仕事です。
──ビジネスサイドとデザイン制作の間を取り持つような役割は、難度が高そうですね。どのようなことに気をつけて仕事をしていますか?
ビジネスとデザイナーの働きやすさのバランスを取ることを心がけています。依頼者と締め切りと要件をすり合わせ、それを作ってくれるデザイナーが、それぞれどうすれば働きやすいかを考えてプロジェクトを進めていきます。
どのデザイナーへも、要件と必ずおさえてほしいポイントをきちんと伝えること。その上で、その人のタイプによってマネジメントの方法を調整し、デザイナーがクリエイティビティを発揮できる環境を整えています。
──人によって、タイプが違うものなのですか?
同じデザイナーでもさまざまなタイプの方がいらっしゃいます。最低限のチェックだけ行っておまかせする方がいい人もいれば、その時々で細かく進捗のすり合わせをしたほうがいい人もいます。タイプによって中間報告会を設けたり、締め切りを前倒しして伝えたりと、結果的にクオリティを守れるよう工夫しています。
一方で、共通して必要とされていることもあります。締め切りを守っていただくことや要件を伝えることはもちろん、文字校正などはどの案件でも積極的に入るようにしています。
オフラインの会議で徹底的な合意形成。
「Just for Fun」の解像度をあげるMarketing Statementの策定
──これまでの仕事で、代表的なものを教えてください。
Marketing statementの策定を行いました。STORES のミッションは「Just for Fun」ですが、これが広義に捉えられるために、顧客とのコミュニケーション上取り扱いづらいことが課題になってました。そこで、その解像度を上げ、社内の認識合わせやマーケティング活動で使いやすくするために「Just for Fun」を噛み砕いたステートメントの策定を行いました。
また、それを作るだけで終わるのではなく、社内外で活用していただくため、その周知や活用までをデザインしました。社内に対してはわかりやすいesaを用意し、制作意図やテキストに込められた思いや議論の背景までを丁寧に解説。社外に対しては、展示会で配布するパンフレットなどに挿入することで STORES をまだ知らない人に STORES とそのサービスを理解していただけるようにしました。
──このプロジェクトで苦労した点はどのようなことでしたか?
合意形成と議論を着地させることです。先ほどお話ししたように STORES には複数のプロダクトそれぞれの歴史と、文化があります。例えば、 STORES を使ってくださる事業者様の呼び方もチームによってさまざまだったり、事業者様の商売と聞いて思い浮かべる業態も異なったり。
STORES が包括的なサービスになろうとしている今、それぞれの視点を整理したり、表現をひとつにまとめるのがとても難しかったです。
──それをどのように乗り越えたのでしょうか。
Marketing statementを策定するオフラインの会議体を設け、各回ごとにゴールを決めて着実な合意形成を行いました。毎回ひたすら叩き台を作って持ち込み、具体的な議論ができるように。また、会議で決まったことは会議の終わりに改めて確認し、それがひっくり返ることがないよう次回に繋げました。
事業内容などはアップデート前提とし、最終成果物への合意のハードルも下げました。できあがったMarketing statementは、現在社内のesa(社内の情報共有システム)や展示物で公開され浸透し始めているところです。
最先端の技術やアイデアを持っている人求む!
チャンスとプロジェクトが溢れる STORES のデザインの現場
──南茂さんから見て、 STORES はどのような職場なのでしょうか。どんな方が合うと感じますか?
何でも任されるチャンスが多い環境なので、意欲的な人に合う職場だと思います。いわゆる大企業や、歴史のある会社だとなかなかチャンスが回ってこないフラストレーションを感じることがあるかもしれませんが、 STORES にはまだ着手できていないことや、手を挙げれば任せてもらえることがたくさんあります。私自身、入社間もなくしてすでにたくさんのプロジェクトにアサインしていただいています。このような取材にも呼んでいただけて、「役に立っている」という実感を得ることができ、それがやりがいに繋がっています。
また、インハウスでデザインをすると社内の人としか関われないイメージがあるかもしれませんが、外部のパートナーの方と協力して作り上げるプロジェクトも多く、刺激のある環境です。
──デザイナーとして STORES への入社を考えている方に、おすすめしたいポイントはありますか?
CPOの井出さんが新しい技術や表現に積極的であることもあり、新たな表現技術や見せ方を身につけられることです。成果物が良ければ、当初の想定よりも大規模に使われることもあるので、最先端の技術やアイデアで腕試ししたい方にはぴったりなのではないでしょうか。
事業会社のインハウスデザインという仕事からは想像もできないほどさまざまなプロジェクトや制作物があるので、がっつりクリエイティブをやりたい人にきていただけたら嬉しいです。
──そのような環境で、南茂さんはどのような展望を持っていますか?
自分の仕事を通して STORES の新しいイメージを作っていきたいです。これまでの見せ方に終始せず、STORES がこれから担おうとしている社会的役割や、展望を伝えていきたいと思います。
それらの仕事を全力でやりきることで、私のできることがさらに広がったらいいですね。これまでのキャリアでECの支援事業にはたくさん関わらせていただきましたが、あくまで支援という枠の中での関わりになっていましたので、事業の成長をリアルな自分ごととしてとらえやり切りたいです。 STORES で、これくらいの仕事をやったぞ、と言えるような痕跡を残せるよう、目の前の仕事に取り組んでいきます。
写真・文:出川 光
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