技術支援も採用も。「自分から仕事を取りに行」き、CTOとVPoEを支える
CTO室とエンジニアリング室を兼務するという少し変わったミッションを持つ千葉弘太郎さん。入社数ヶ月とは思えない存在感で、組織を横断した技術支援、採用施策を行っています。
その力強い働き方の背景には、どんなキャリアや考えがあるのでしょうか。これまでのキャリア、表現活動のこと、そして STORES での仕事についてお話を聞きました。
表現に夢中だった幼少期から、IT業界に入るまで
──音楽や絵画にも造詣が深いと聞きました。ちょっと遠回りですが、そのお話から聞いてみたいと思います。
子供の頃からピアノに親しんで、学生時代はファゴットという楽器をやっていました。アンサンブルのコンテストで関東2位になったこともあるので、周りの友達には音大に進学すると思われていたほどです。
──それでは、芸術系の進路に進んだのでしょうか?
音楽だけでなく絵を描くのも好きで、進路は美大を選ぶつもりでした。けれど、美大や音大への進学は家族の反対にあい断念。得意だった勉強を頑張って薬学部に進学することになりました。大学では生薬漢方を研究していたんですよ。
──薬学部とIT企業はかなり畑が違う印象です。
そうですよね。新卒では漢方の会社に入社しました。けれど、生薬の原産国である中国の人件費が高騰し、その影響を受けた会社の環境も厳しいものになっていました。このままではいけないと思い、転職を考えるようになりました。
その時、趣味で続けていた絵を描く人のコミュニティの友人たちから、IT業界を勧められたのがこの業界との出会いです。得意な絵を活かしウェブデザインをやってみようと会社勤めをしながら専門学校に通いました。
──ダブルスクールでデザインを学ぶとは、すごいですね。それで、デザイナーとしてIT業界に入ったのですか?
はじめはクリニックのウェブサイトを制作する会社に入り、デザインだけでなくフロントエンドのエンジニアリングまで担当しました。今思えばかなり偏った環境だったのですが、当時はそれもわからず「IT業界ってこんなに大変なんだ」と必死に働きました。
まるで、サバンナにひとり置いて行かれて、「一人で帰ってきて」と言われているみたいでしたね。
組織横断のキャリアを求めていた STORES と出会って
──それから STORES まではどのような変遷を?
過酷な環境で身についたスキルセットを転職プラットフォームに掲載してみると、担当の方にフロントエンドエンジニアとして仕事を勧められ、それをきっかけにメディアを扱う会社にエンジニアとして入社しました。
その後、コンテンツ配信やエンタメ・ECサイトを運営する企業に約3年間勤め、サービスのリブランディングや組織横断のチームで技術支援や研修の設計などを行いました。その後ベンチャー企業を経て、当時 STORES で働いていた知人の紹介で、STORES に入社したというわけです。
正直に言うと、デザイナーから始まり、フロントエンド、バックエンド、採用、研修設計、技術支援などキャリアが多岐に渡りすぎて、何が自分に合ったポジションなのかもわかっていませんでした。
けれど、僕がやってきたことをCTOの藤村さんとVPoEのさとだいさんが見てくれて、「これから STORES が拡大するにあたって、組織横断で技術課題や人材的課題をみてほしい」と言っていただけたんです。これまでのキャリアで役立てるということが嬉しくて、頑張ってみようと思いました。
技術支援と採用を一手に担う現在の仕事
──現在のお仕事はどんなものなのでしょうか?
CTO直下のCTO室と、VPoE直下のエンジニアリング室を兼務する形で、全社横断で採用の支援や技術的課題の解決などを行っています。
採用支援としては、ポテンシャル採用の短期インターンや、求人イベントのサポートなどを行いました。これまでCTOの藤村さんがやっていたことを巻き取って、前職の知見を活かしながらできることを全てやっています。
技術的課題としては、サービスサイトの技術的負債の解消などに取り組んでいます。技術的な取りまとめをしながらさまざまなメンバーを巻き込んでいるので、進捗がとにかく良いですね。
また、事業部の垣根を超えて交流できる場として、月に一度の交流会をオンラインで行っています。他事業部とコミュニケーションをとることで化学反応が生まれたり、仲良くなれる場として盛り上がってきていますよ。
「自分で仕事を取りに行く」
───組織を横断して働くことの難しさを感じることはありませんか?
そういう時は、自分から仕事を取りに行って解決するようにしています。例えば入社したばかりでミッションの抽象度が低かった時は、自分から「STORES がどう見えているか」をドキュメントにまとめて藤村さんとさとだいさんにレビューしてもらい、解像度を上げていきました。
他の人の巻き込みが必要な時はSlackとesaをくまなく読んで、キーマンを自分から見つけて関わっていきます。「Slack廃人」と呼ばれるくらい、Slackのチャンネルは全て見ているんです。ちょっと落ち込んでいる人を見つけたらDMで話しかけるなど、細かくコミュニケーションをとることで、自分からどんどん組織に馴染めるように心がけました。
僕が大事にしているのは、自分から取りに行った仕事を誰かが再現できるものに落とし込むこと。そうして、自分が発足したプロジェクトを一緒にできる人をどんどん増やせるように意識しています。現在僕が手がけているポテンシャル採用や中途採用の施策も、一緒にできる仲間ができたら嬉しいですね。
STORES で見られる、前人未到の景色
── STORES ならではの働きがいや、面白さを感じられるのはどんな点でしょうか?
技術的には、クロスユースの促進によって事業部の垣根を超えた施策が生まれるのが楽しみです。これまでリテールはリテール、予約は予約、といったようにプロダクトごとに分かれていた技術の境界がなくなっていくのは技術的なやりがいを感じられるのではないでしょうか。
また、組織としては、人数が増えて組織の規模が大きくなり、足並みを揃えやすい時期であること。みんなで同じミッションやバリューを共有し、それに共感して頑張りたいと思っている人が多いのは稀有な環境だと思います。
複数のプロダクトをひとつのブランドで提供し、オーナーさんのお商売をまるっと支えるのは、日本では前人未到です。みんながそれに共感し足並みを揃え、見たこともない景色を一緒に見られたらと思うと、心が踊ります。
──まさに STORES が目指すことですね。千葉さんご自身の展望があれば、最後に聞かせてください。
これまでの自分のキャリアをこうして改めて振り返ってみると、昔はやりたいことが先行していたタイプだったなと思います。それに引っ張られるようにしてがむしゃらに経験を積んだら、たまたま他の人にはない、ユニークなキャリアを作ることができた。
それを活かせる現在の仕事を、思い切りやるしかないと思っています。常に緊張感を持って、現状に満足しないで働きたいなと思います。
──ありがとうございます。いつかは、表現の活動も並行して行われるのでしょうか。
今は、絵を描いたり音楽をやる時間がないんですよ。その代わり、自己表現の場を自分自身にすることにしたんです。ほら、この服いい感じでしょう? 自分自身で表現もしながら、今は仕事に全力投球していたいんです。
(写真・文:出川 光)
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