「SREといえば、heyが強い」を叶える組織文化作り
プロダクト基盤本部をメインに、組織横断の課題を解決するべく複数の部署ではたらく藤原 涼馬(ふじわら・りょうま)さん。heyのSREで目指すこと、そしてheyに入る理由でもあった組織づくりについてお話を聞きました。聞き手はテクノロジー部門プロダクト基盤本部の大橋 宏章(おおはし・ひろあき)さんです。
原体験は幼稚園時代に遊んだ用水路。エンジニアになるまで
──藤原さんがエンジニアリングに興味を持ったきっかけは何だったのですか?
今思えば、小さな頃からエンジニアリングに興味を持つ機会を周囲からもらえたのだと思います。幼稚園の頃、用水路で泥遊びをして遊んでいた時、近くに住んでいた人が通りかかったんです。その方は気象庁で気象衛星を作っていた元エンジニアの方で、私が遊んでいるのを見ていろいろな問いかけをしてくれました。問いかけを通じて用水路や揚水ポンプなどの役割や仕組みについても考えるような機会をもらえました。そういった経験から、無意識のうちにものごとの仕組みに興味が向くようになっていたんだと思います。ITエンジニアリングという意味では小学校の頃に親が買ってきたパソコンで遊ぶこともありましたが、ITエンジニアになると早いタイミングで決めたわけではありません。大学で生物情報工学を専攻し、たまたま就職する時に、専攻していた領域では就職先がなかったので、ITエンジニアになりました。
──なるほど。ものごとの仕組みを考える思考を小さい頃から持っていたんですね。heyに入ったきっかけは?
LinkedInに転職エージェントの方からメッセージがきて、声をかけてもらったことがきっかけでした。その後カジュアル面談、面接と進むうちにいくつかの魅力を感じて入社を決めました。ひとつは事業領域、もうひとつはキャリアです。
──事業領域の魅力はどんなものでしたか?
中小企業向けにデジタル化をサポートする事業内容に共感しました。親が地方でビジネスをやっていたので、お客さんに向き合う時間を確保するために余計なことに時間を割きたくないこと、ネットショップなどでお客さんとの接点を増やすことに課題に感じていたのです。全体の9割以上を占める中小企業が大企業と同じテクノロジーを使ってより効率的、本質的な商いに取り組むことに貢献したいなと思いました。
──キャリアの視点ではどうでしょう?
これまでは文化的に成熟した大企業にいて、いつか組織文化づくりをやってみたいと思っていました。heyの規模がちょうどそのフェーズだったので、関わりたいと思いました。また、大企業からの転職という点では、小さいけれど価値のあるビジネスを育てていきたいというのも理由のひとつでした。売上2兆円の企業では1億円の売上が見込めるビジネスに価値を見出しづらいですが、売上10億円では違ってくる。これまで自分がいた組織よりも小さい組織で挑戦したいと考えました。
プロダクト基盤本部のSREの仕事
──現在やっているお仕事について教えて下さい。
所属としては基本的にプロダクト基盤本部でSREとして働いています。また、それに加えて兼務で他のプロダクトの支援やプロダクト横断の課題の解決も行っています。
──SREの仕事をわかりやすく伝えるとしたら、どんなものなのでしょうか。
そうですね。ほぼどの家にも水道が通っていますが、使っている人はその仕組みを意識することはあまりありませんよね。けれど、水道には川の水を汲み上げ、ポンプで運び、使われたものは下水になるという一連の流れがあります。その裏側の仕組を作る、言わば水道屋さんがSREです。利用者には安全な水をいつでも使うニーズがありますが、その裏側の目に見えない部分(給水管や下水管、浄水設備)を作り支えているのがSREのお仕事と考えてもらえると良いです。
──なるほど。その仕組みがプロダクト基盤のインフラなんですね。具体的にはどのようなものなのでしょうか?
歴史が浅いこともあり現状のインフラ観点では非常にシンプルなWebシステムの構成にプラスαした程度のものです。
システムは仮想マシンベースで動いています。オンライン処理もバッジ処理もすべて仮想マシンベースで動いているので、スケールアウトの観点でもコスト最適化の観点でも規模が大きくないので許容できている。けれど、今後規模が大きくなってくると、負荷に合わせて高速にスケールアウトさせるという話はいずれ出てくるので、それに対応するためにコンテナベースに移行していこうと考えています。
そのほかの部分でも今後間違いなく規模が拡大し、複雑化し続けることは予測できているので、他プロダクトで顕在化した課題などをあらかじめ手当てしておくことが必要だと思います。
──さきほどお話にあった、プロダクト横断のCIT(Cloud Infrastructure and Tools )ワーキンググループについても教えて下さい。
はい。heyにはさまざまなワーキンググループがありますが、他のワーキンググループよりも実際の事業に近い活動をしていると思います。具体的にはパブリッククラウドの利活用における組織横断での課題の受付、取りまとめや各種改善活動を行っています。
heyは複数の組織が集まってできているので、それにより雑多になってしまっている課題の管理や交通整理を担うことで個別プロダクトでのトイルやリスクを減らす取り組みを進めています。
──さまざまなところで活躍されていますが、仕事をするにあたってどんなことに気をつけていますか?
まず気をつけているのは、「TO BEを示すだけでは人は動かない」ということ。行きたい場所を示すだけでなく、そこに至るまでのステップとしてマイルストーンを示したり、イニシャルのコードを書いたりするようにしています。もうひとつは「エンジニアリングとサイエンスは違う」ということ。科学的に正しい方向、理想を見据えてそれに向かおうとするサイエンスは楽しいですが、最後はエンジニアリングとしていろんな制約条件を満足するものを作らなければ、まわらなくなってしまうので、常にこの違いを意識するようにしています。
「SREといえばheyが強いよね」と言われるまで
──プロダクト基盤本部のSREにお話を戻します。短期と中期でどのようなことに取り組もうと考えていますか?
プロダクト基盤本部のひとりめのSREなので、まだまだ立ち上げをしているところです。なので、短期では、SREとして形が見える仕事を着実にやっていこうと思っています。ひとりチームではありますが、SREとしての信頼を獲得していくフェーズだと考えています。具体的には、引きの視点でアーキテクチャを作ることを目指しています。SLIやSLOの策定、それを実現するためのより高いレベルの監視・モニタリングなど、当たり前な部分からまずは取り組んでいくつもりです。中期では、他のプロダクトのSREの方たちと連携しながらheyのSRE組織を作っていきたいと思っています。このタイミングで組織文化をエンジニアリングできたらいいですね。GoogleやAWSなどのプラクティスをそのままheyに持ってきてもフィットしないと思うので、heyにフィットする独自のSRE組織文化を作れたらいいなと思っています。
──プロダクト基盤本部のSREの魅力は何でしょうか?
立ち上げ段階なので、かっちりとした組織としてまだ成立していないところです。理想の組織文化を一緒に作ることができますし、大企業でそれを実現できなかった人はリベンジができる。エンジニアリングだけではなく、組織づくりも経験できるのが一番の魅力だと感じています。
──なるほど。最終的にはどんな状態を目指していますか?
そうですね。SREという組織は一時的なものだと思っています。今はSREでプロダクトを支えているけれど、長期的にはそれぞれのエンジニアがそういう能力を備えていき、課題は解消していくはずだと信じているからです。そうして発展的解消をすると、今度は局所最適化がプロダクトごとに進み、それを平準化する必要が出てくる。この振り子のようなサイクルが10年、20年レベルで巡り、ベースのレベルが上がっていくのではないでしょうか。その中で、まずは日本のIT業界内で「SREといえばheyが強いよね」と、語られるような存在になれたらいいなと思っています。
──そういう未来を目指すのに加わってくれるとしたら、どんな人がいいですか?
物事に対して当事者意識を持てる人と働きたいです。冷静でありつつ、仕事に熱中できるような。また、目の前のタスクだけではなく、自分たちのやったことが誰に対してどんな影響を与えるのか、それによってどんな人たちが幸せになれるかをきちんと意見していただけたらいいですね。
──これから作られていく組織で、自由度も高いので一緒にどんどん進められる人に来てもらえたらいいですよね。
ITエンジニアとして、そして事業会社の人間として大事にしたいテクノロジー部門のマニフェスト・バリュー
──ちょうどこの前テクノロジー部門のマニフェスト・バリューの発表がありましたが、藤原さんの中で大切だと思うバリューを上げるとしたらどれになりますか?
6つのバリューの中でも特に大切だなと思うものをふたつの視点で選ぶと、ひとつは「論より動くもの」、もうひとつは「役割を超える」です。「論より動くもの」は、ITエンジニアの視点で選びました。何かをやりたい時、「こういうアーキテクチャでやろうと思っている」などの具体的な話をするのが大切だと思うからです。「役割を超える」は、事業会社で働く人間の視点で選びました。たまたま私たちはSREやフロントエンドエンジニアという職種がつけられているけれど、もしも自分が一番貢献できる価値が組織間の調整や仕組みづくりなら、それをやってみるのもいいと思っています。持っている専門知識だけでなく、それ以外で価値貢献ができるならそれもやろうとすることが、事業会社の人間としての当事者意識だと思っています。
7、80代でもheyのプロダクトを使える世界を
──最後に、heyとして目指していることがあれば教えて下さい。
誰もが「こんなことをやりたい」というアイデアや夢を心の中に持っているけれど、それをやるにはお金も手間もかかる。そういうことをもっと楽にして、事業そのものを支えられるような存在にheyのプロダクトがなれたらと思います。町の商店街の誰もが使えて、楽しめるような。ITに詳しくない70代、80代のおじいちゃんおばあちゃんにもheyのプロダクトを使ってやりたいことにチャレンジしてもらえる世界がきたらいいですね。
藤原さんのお気に入り:HORSE MEET POWER STORES
馬刺し全般がおすすめです!低カロリーかつ高タンパクなので運動をされるかたやダイエット中の方でも罪悪感を覚えずに食べられると思います。
(文:出川 光)
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