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信頼関係があるから、大変だと思ったことはない。STORESの公開APIを開発するPdMとエンジニア対談

STORES の外部向けAPIを開発を行う、プロダクトマネージャー(以下、PdM)の濱村拓巳(はまむら・たくみ)さんと、エンジニアリングマネージャーの藤沢理聡(ふじさわ・まさあき)さん。立場の異なるお二人がどうやって一緒にプロジェクトを進めているのか、聞きました。

STORESの公開APIを作る

──heynoteのインタビューでは、はじめに自己紹介をお願いすることが多いのですが、今回は一緒にお仕事をされているお二人の対談なので、お互いに他己紹介をしていただきたいです。

藤:では僕から。濱村さんこと、はまむーは、真面目かつ、情熱的に仕事に取り組む人です。誰に対しても、何に対しても壁を作らず、落ちているボールを積極的に拾ってくださる。社内ではいじられキャラになっているところも見ますが、そうやっていろんな人と距離を縮められるコミュニケーションの高さを感じます。

濱:面と向かって言われると恥ずかしいですね(笑)。risouさんは嘘を言わないので、嬉しくなってしまいます。では僕からも、藤沢さんこと、risouさんの紹介を。一言で表すとしたら、圧倒的に人のこと、そしてプロダクトのことを考えている人です。他人のことも、チームメンバーのこともよく見て、考えてくださっているので信頼しているマネージャーです。自分のことはあまり話されませんが、僕と同じでお子さんがいるので、子育ての話もよくしています。

───少しずつお二人のキャラクターが見えてきたような気がします。お二人はPdMとエンジニアリングマネージャーとして一緒にお仕事をしているわけですが、現在どのようなことに取り組んでいるのでしょうか?

濱:STORES ネットショップとレジの商品情報や注文情報などのデータをAPIによって外部から参照・更新できるプロジェクトを担当しています。APIを公開すれば、社外の方でも機能開発ができるようになり、他社様のシステムとも連携が可能になります。プロジェクトは2021年の7月から始まり、今も多くの公開API開発に取り組んでいます。

藤:これまでの機能はオーナーさん向けのものでしたが、これはある程度お商売をされているオーナーさんに対し、社外のエンジニアがプラスアルファの機能を開発し提供するというものです。ターゲットも使うシーンも異なるので、エンジニアの視点では他の機能提供と考えることが異なり、新鮮です。

──お話を聞いているとかなり難しいプロジェクトのように感じます。

濱:初めて開発者の方向けに公開APIを提供するので、どのように使っていただくか、ユースケースを考えるのが難しい点です。公開APIはどんなふうにも使えるので、どのように意思を込めてプロダクトを作っていくべきかという。この課題に取り組むために、去年の年末あたりに開発チームと毎週「どんなAPIを提供すべきか?」についてディスカッションしましたね。開発チームとユーザーヒアリングも行なって、やみくもにAPIを増やすのではなく、ユーザーの方々が必要とされるものを作ろうと。このプロジェクトはそういった構想力が求められる仕事だなと感じています。risouさんは、どうですか?

藤:プリミティブなAPIを提供すること自体には特筆すべき難しさはありません。一方で、オーナーさんがエンジニアに依頼をする時、どういう経路でどう使われるかを想定するのには難しさを感じます。さらに、STORES へのログインを担ってくれている認証基盤を開発している、プロダクト基盤本部のメンバーとコミュニケーションをとりながら、お互いのシステムをいかに綺麗に保つかや、よりセキュアな選択肢はどちらかなどを調整することは新たな難しさでもあり、面白みでもあると感じています。エンジニア視点では、他のチームのメンバーと仕事ができる貴重な機会だなあ、とも。

信頼関係があるから、なんでもコミュニケーションできる

──PdMと、エンジニアのマネージャーという異なる立場で一緒にプロジェクトを進める上で、気をつけていることはありますか?

濱:まず、目線を合わせて議論するために情報を共有することを意識しています。僕にはビジネスサイドの様々な情報が入ってくるので、それを整理して開発チームに共有するようにしています。例えば事業として担っているKPIや、その背景について共有したり議論したりすれば、同じ目線で目標を達成するための話ができる、というような感じです。もうひとつは、ユーザー視点を持てるようにすることです。ユーザーインタビューを設定したらエンジニアを誘うようにしており、ユーザーの感覚を持ってもらうことを意識しています。

藤:僕は、実はあんまり気をつけていないんです。だからきっと迷惑をかけているんだと思います。強いてあげるとすれば、目的を見誤らないようにして本質的なコミュニケーションをとること。僕は、チームのエンジニアに「なぜ今それをやる必要があるのか」「なぜそういう決断をしたのか」を説明する必要があります。その目的のために納得するまで質問させていただくこともしばしばあります。遠慮せずにコミュニケーションをとっているので、時間を奪っていて申し訳ないなと思っているのですが。

濱:いえいえ。risouさんとは、ベースとなる信頼関係があるから、そういう質問をしていただいても意図を変に推測する必要がないので助かります。質問していただくことで、気づかされることも多いんです。

大変だと思うことは、まだない

──このプロジェクトが始まってから、大変だと思ったことがあれば聞きたいです。何か乗り越えるのが難しかったことは、ありますか?

濱:それが、インタビューとしては面白くないかもしれないんですが、大変だったことがあまりないんですよ。衝突もなかったと思っているんですが、risouさんはどうでしょう。僕個人としては、向き合っていることが不確実で難しい分、一緒に向き合えている感覚があります。

藤:僕もそう思います。問題が大きくなる時の多くはコミュニケーションエラーによるものだと思うのですが、それを早い段階で潰せていると思います。お互いの立ち位置も、全てわかるわけではないけれどある程度見えているつもりなので、順調だと思います。

──すごい。大変なことを聞き出そうと思っていましたが、まさかそうくるとは。けれど、お二人の信頼関係がよく伝わってきます。難易度が高いことと、大変だということは違いますものね。

濱:そうなんです。僕は、PdMとしてはよくないのかもしれませんが、「How」の部分が気になってしまうことがあります。「ここをどうやって実現するんだろう?」とか「スケジュールいけます、って言っていたけどなぜなんだろう」とか。人によってはこう聞かれることを不快に感じる方もいるので気をつけているのですが、risouさんは、仕事を始める時「気になったことはなんでも聞いてください」と言ってウェルカムな姿勢を示してくれたんですね。そういうスタンスの表明が、とても嬉しかったです。さらに、risouさんのエンジニアチームは自分たちが作るものへの責任感がとても強いので、作ったものがどう使われているかや、どんな影響を与えているかに関心が強い。オーナーさんのことも、ビジネスのこともきちんと気にしてくれるので、とても助けられています。

藤:なんだか照れますね。はまむーがPdMをしてくれていて助けられてるのは、一緒にワクワクする話をしてくれることです。プロダクトのビジョンや「こういう風になったらいいね」という未来を、ビジネスとして合理性があるかは別として夢のある話し方をしてくれるので、一緒にはたらく僕らをワクワクさせてくれるんです。経営者からトップダウンで伝わってくるのではなく、横並びの同じ目線の高さで「こういうの考えてるんですよ」と話してくれるので「それ面白そうだね!」と乗っかっていくことができる。そうやってエンジニアチームのモチベーションを上げてくれるのでありがたく思っています。

議論して、太鼓判をもらえると、前に進める気がする

──これからお二人が目指していることや、やりたいことを教えてください。

濱:公開APIを増やしていくと同時に、今年から徐々にAPIを通じた外部パートナーの方々との連携をしていきます。オーナーさんが負担に感じていることを、パートナーの方々と一緒に解決していけるような、仕組みを作っていきたいです。Shopifyはじめ海外での成功事例は多くありますが、まだ日本では多くないので、自分たちがそうなれるよう、それをrisouさんやチームのみんなとディスカッションしながら働いていきたいと思っています。自分で描いた構想も、risouさんに意見をもらって太鼓判をもらえると、「よし!」と前に進める気がするんです。

藤:僕は、こんな風に、僕とはまむーがうまくやれていることを社内外に見てもらえたらいいなと思っています。PdMとひとくちにいっても様々なタイプがいますが、こういうやり方でAPIチームはうまくいっている、というひとつの事例になれればいいですね。そのためにも、参考になれるような成功の仕方をしたいし、一緒に働いているエンジニアチームの面々には今後のキャリアに役立つ機会を提供していきたいなと思っています。こんな開発の現場があることを知ることで、heyに興味を持ってくれる人がいたら、嬉しいです。

はまむーさんのお気に入り:DRESSSEN
heyに入社して初めてSTORESを利用したのがDRESSSENさんでした。ミトンを購入したのですが、オーナーさんが実は僕の自宅の近くで運営されており、オーナーさん自ら送り届けてくれたことに驚きました。こんなオーナーさんが利用されているSTORESは素晴らしいサービスだなと思うきっかけにも。その後も展示会などにもお誘いいただき、ご縁がつながっています。

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