僕のエンジニアリングが事業を前に進める
heyのテクノロジー部門、予約本部のプロダクトグループでエンジニアを務める矢作優和(やはぎ・まさかず)さん。現在のお仕事のやりがいと、これからについて聞きました。
聞き手:坂田 晃一
書かれているコードから歴史を読み解き
未来のために改善する
──現在のお仕事について教えてください。
STORES 予約でバックエンドエンジニアをしています。最近では、オーナーさんが使う管理画面を改善するタスクに取り組んでいるところです。素朴なままになっている管理画面のUIをモダンなデザインに変えて、オーナーさんがオンボーディングしやすくなるようにするのが狙いです。
──具体的にはどんな開発なのでしょうか?
現在のオーナーさん向け管理画面は7年前からあるのですが、ずっと増改築を続けてきたので、それを根本的にキレイにしようというのが今のプロジェクトです。クービックだった時にはなかなか手をつけられずにいたものが、heyに統合されてデザイナーさんの力を借りられるようになり取り組めるようになりました。これまでjQueryを使って作られていたものを、Next.js 製の画面に作り替えています。リファクタリングも僕がやらせてもらっています。
──主にどんなチームとやりとりしながら進めているのでしょうか?
去年まではエンジニアチームの中でのやりとりが多かったですが、管理画面の改善タスクに取り組むようになって、デザイナーチームなど他部署とのやりとりも増えてきました。これからはシステムの健全化に関わる、他のシステムとのつなぎこみのタスクが出てきそうで、そのシステムを構築しているエンジニアの皆さんとのやりとりも増えそうです。
──幅広く社内とコミュニケーションしながら仕事を進めているんですね。チームの中では、バックエンドとフロントエンドはそれぞれ別の人が担当されるのですか??
いえ、チームとしての考えは、バックエンドもフロントエンドもみんなで触ろうというものです。僕個人としては、バックエンドのほうが興味関心が強いんですけどね。
──なるほど。そうなると現在の開発で技術的に楽しめているのはどんなところですか?
書かれているコードから歴史を想像して読み解き、未来のために直していく作業に楽しさを感じています。確かに辛い作業ではありますし、辛いだけで終わってしまう人がいるというのもわかります。けれど、過去には新機能の追加以外評価されない会社もあったことを考えると、こういう整える作業を評価してもらえるところにやりがいを感じています。
──そのような作業にやりがいを感じられるのは、珍しいように思えます。
組織への愛着があるからだと思います。愛着があるからこそ、今ちゃんと頑張って品質改善をして上場させたいなという気持ちがあるし、それが評価として自分に返ってくると思うとやりがいになります。
──なるほど。「組織への愛着」という言葉が出ましたが、これを感じられるのはなぜでしょうか。
もともとクービックの「めんどくさいをなくす」というコンセプトに共感して入社したくらい、会社の見ている方向に納得感があるからだと思います。開発も「めんどくさいをなくす」という指針で進んでいるので、「どうしてこれをやっているんだろう」と思う必要がないですし。
現在のチームは、今までで一番いい状況
──そうだったんですね。入社のきっかけのお話が出たので、これまでのキャリアについてもお伺いしてみたいと思います。そもそもエンジニアを目指したきっかけは何だったんでしょうか。
大学は、教員を養成する大学でした。釣りや生物が好きで、高校の理科や生物の先生になろうと思っていたんです。けれど、教師の職場環境を考えた時に難しさを感じて方向転換することにしました。当初エンジニアの選択肢を考えてすらいませんでしたが、大学4年生で就職マッチングサイトを開いたら社内SEくらいしか募集が残っていなくて。食いっぱぐれることはないだろうと思ってその世界に足を踏み入れてしまったというわけです。
──それでは、最初のキャリアは社内SEに?
はい。といっても、オフィスの鍵や暗証番号を定期的に変えたり社員のマシンの管理をしたりしていました。それがあまり面白く思えず、動いているサービスのプログラマになろうとSESの世界に入りました。その後ウェブ系の会社などを経て、転職先を探していた時にクービックを見つけました。
──当時のクービックの印象はいかがでしたか?
カジュアル面談でお会いしたサトダイさん、韓さんから「大人だな」という印象を受けて魅力を感じました。ここに入れば自分が成長できるイメージがつくなと思ったからです。体験入社を経て正式に入社しました。
──その時からチームの状況も変化していると思いますが、現在の状況はどうですか?
僕が入社した時は、当時受けた印象の通り、何か問題があれば大人が解決するというスタイルでした。現在は、そこからさらに進んで、チームでコミュニケーションしながら課題を解決できる状態になっています。生産性も上がっていると思いますし、良くなっている実感があります。これまでで一番いい状況なのではないかな。
──状況の変化という意味では、heyに統合したことも大きな変化だったのではと思います。
それが、僕らにとってはあまり困ったことや大きな変化はありませんでした。どちらかというと、上長のサトダイさんが忙しくなったという印象です。先ほどお話しした管理画面の改善などもデザインのリソースが増えて取り組むことができるようになりましたし、プラスの変化だったと振り返っています。
事業を前に進めるエンジニアリング
──さきほど、7年前に作られた管理画面をモダンに書き換えているというお話がありましたが、歴史があって、かつ、トラフィックが大きいコードに根気よく向き合えるのはどうしてなんでしょうか。
僕は0から100まで一気にたどり着くことができる天才タイプではないので、ひとつひとつを愚直に解決することを積み重ねて真実にたどり着くアプローチをとっています。これが得意なのは、生物学を学んでいた経験が生きているのかもしれません。研究というのはまったく新しい研究を思いつくのではなく、先行研究を調べて、それをどう拡張すると新規性がある研究になるかというものなので、少しこの作業に似ているんです。
──なるほど。矢作さんが目指しているエンジニア像はどんなものですか?
やっぱり引退するまで手を動かすエンジニアでいたい気持ちはあるのですが、そうもいかない現実を感じてもいます。けれど、それと同じくらい、チームで課題を解決したり、それがサービスに生かされていることにもやりがいを見出せています。せっかく教育について学んだので、後任を育てることにも取り組みたいですし、何よりエンジニアとして、最先端のサービスや事業を前に進めていることに意義を感じています。
──これからはそれがキャリアの軸になりそうですね。
そうですね。エンジニア側から積極的にユーザーの声を拾って改善できる瞬間が最も楽しい時です。やっぱり人が使ってくれることが嬉しいですし、それを実感できるエンジニアリングを最先端でできることが喜びなのだと思います。STORES 予約を使うユーザーが、「こういうお店ないかな?」」と気軽に訪れて、検索してお店やサービスを見つけて予約できる、そんなサービスになるために頑張っているところです。
矢作さんのお気に入り:BELTZ
チーズケーキがとても好きなのですが、ここのストアで買えるチーズケーキは本当に美味しいです! もう三回くらい買ってしまってるくらいにはハマってます! 気分やイベントに合わせてパッケージを選べるのもGoodポイントです!
(写真・文:出川 光)
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