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クリエイターの「とがりたい」を支えるheyのサービス

STORESのプロダクトバックエンドグループでエンジニアをつとめる森弘 一茂(もりひろ・かずしげ)さん。バンドに打ち込んだ経験が、現在のエンジニアリングにつながるバックグラウンドになっています。これまでのキャリアや現在のお仕事などについて聞きました。

バンドマンがソフトウェアエンジニアになるまで

──背景に楽器が写っていますね。音楽をやられているんですか?

そうなんです。以前はやっていたバンドでデビューも経験したんですよ。僕はギターを担当していました。

──すごい!heyにはたくさんミュージシャンの方がいますね。

そうなんですよ。はじめ、バンドをデビューまで経験するほどやっていたというキャラクターは僕だけだったのですが、どんどんすごい方が入ってきて、言いづらくなってきました(笑)

──バンドをやりながらお仕事をされてきたんでしょうか?

あの時のバンドを一言で言えば「売れようと頑張っていたバンド」という感じです。そうやって頑張ってデビューまで持っていったのですが、食っていくことができなくて、活動を休止しました。音楽一本で食べていくことの厳しさに気づいて就職するところから、僕のキャリアは始まります。
まず一社目でシステムエンジニアになりました。当時はソーシャルゲームの全盛期。通信系のシステムを作っていましたが、ウェブ系のエンジニアリングが盛り上がり始めていた時期でもあります。その流れに乗って興味があったウェブ系のエンジニアリングをやるために転職し、受託開発を行っていました。ここでの仕事も楽しかったのですが、腰を据えてひとつのシステムを作ったり、みんながどうしたら喜ぶのかを考えながら働いてみたりしたいなという思いがありました。その時heyに出会ったんです。

heyは「とがる」ことを支えるサービスを作る会社

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──heyに出会った時は、どんな印象を持ったのでしょうか。

バンドをやっていた時、一番残念だったことがあるんです。それは、めちゃくちゃかっこいい、とがった音楽をやっている人が売れるために音楽性をまるくすること。いわゆる「売れ線に走る」というやつです。売れることができた一握り以外は、みんなに受け入れられやすいような方向に行くか、音楽じゃない方法でお金を稼ぎながら音楽を続けるかの二択しかない、そんな現状を変える力があるプロダクトをやっている会社に出会えたという驚きのような気持ちがありました。自分がheyでエンジニアリングを頑張ることが、クリエイターが自分の創作を続けて、それが経済的にも成り立つ世界を作ることができるんじゃないかと。理想の仕事に出会ったような気分でした。

──実際に入られても、その印象は変わらなかったでしょうか?

予想以上と言えるかもしれません。ミュージシャンに限らず、オーナーさんの中にはこだわりのものを売っている方がとても多い。そのこだわりの何かを表現できていることの素晴らしさをお金に変えられるのがSTORESの素敵なところだなと日々感じながら働いています。

heyで出会ったロールモデルと仕事

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──一緒に働く仲間はどうでしたか?

heyに入って、ロールモデルと思えるような方に出会えたのが嬉しいできごとでした。例えば、STORESの牧野(注:テクノロジー部門EC本部で働く牧野 圭将さんのこと)さん。長く働かれている方なのでSTORESの歴史をふまえた上で意思決定ができることや、オーナーさんの気持ちを代弁できるエンジニアであることに憧れを感じました。藤村さんに出会った時は「こんなすごいエンジニアがいるのか」と驚きました。働き始められた頃は週に2日程度heyに来ていたのですが、こんな短期間でここまでキャッチアップしてしまうのかと、そのスピードと技術力に驚きました。あまりに驚いてそのインプットを真似してみたり。それに矢部さんの技術力や開発への姿勢もすごいし......こんな風にあげていけばキリがありませんが、目指したいなと思える人に囲まれて働けている幸運を噛み締めています。

──現在やられているお仕事はどんなことなのでしょう。

具体的には、STORESの機能改善をしています。スピードをもって機能をバンバン実装していくことを目指しオーナーさんが少しでも使いやすくなるような機能を作っています。最近では在庫数を一括で変更できる機能やオーダーを一括で完了状態にできる機能などをリリースしました。一方で、STORESは長く続いてきたサービスなので技術的負債がたまっているという側面もあり、そのメンテナンスも行っています。STORESはこれまで少人数でオーナーさんの方をむいて突っ走ってきたので、オーナーさんの方をむき続けてきた証拠とも言えるのですが、ここからは安心安全に使っていけるシステムを作るためのメンテナンスを行う必要もあります。このふたつのバランスをとりながら両輪をまわしていこうとしています。

いい影響を与える人でありたい

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──お仕事の進め方はどんなことを大切にしていますか?

チームメンバーが楽しくやれること、雰囲気よくやれることを意識しています。スクラム開発を採用しているので毎朝ミーティングがあるのですが、その時にちょっとした雑談をするように心掛けたり、何かつまづいたらいつでもミーティングができる雰囲気づくりを心掛けています。

──その中でご自身はどんな役割を意識されているのでしょうか。

僕自身がありたいと思っているのは、いい影響を与える人です。チームのメンバーが働きやすいのはもちろん、チームをまたいで、「この人がいてよかった」と思ってもらえるような存在を目指しています。そのために、技術的に頼られることもそうですが、それだけでなく、人間的にも相談しやすい人になれたらいいなと思っています。

音楽をつくることとエンジニアリングは似ている

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──これからやってみたいことについても聞かせてください。

オーナーさんがSTORESを安心して使える状態をつくることです。現在がそうでないということではなく、より安心な状態を常に目指していきたいです。例えば、不正決済が起きてしまった場合のしわ寄せがオーナーさんにいかないようにシステム側で問題のあるクレジットカードにアラートを出して商品を発送してしまうことがないようにするなど、機能の面からオーナーさんの安心なお商売を支えられたらと思っています。heyが掲げている実現したい未来は、パッとやってくるものではなく、長い期間かけて取り組んで手に入れられるものだから腰を据えてそれを作り上げていきたいなと思っています。
なんだか熱く語ってしまいましたが、最近本当にエンジニアになってよかったなと思うんです。

──どうしてですか?

エンジニアリングが、なんだかバンドのように思えてきたんです。チームワークはライブのようで、ボーカルが前に出ている時は控えめに演奏するように、攻めや守りをチームメンバーを意識しながら緩急をつけるとうまくいく。自分が常に前に出ていくのではなく、必要なところを埋めるような感覚です。プログラミング自体は楽器の練習に似ていて、コードを書けば書くほど上手くなる。システムの設計は作曲に似ていて、頭の中にあるイメージを少しずつ手をつかって形に落とし込んでいくような作業。これまで自分が最も熱中してきたことをもとに、今のキャリアを作れている充実感があるんです。

──なるほど。バンドをやっていた経験がここで生きているんですね。

そうなんです。それに、実際のバンドのほうも実は一昨年再結成して活動を行っていて。今回は、「売れ線に走る」なんてことはせず、やりたい音楽を追求してみようと思っています。なんたってSTORESがありますから。そこでグッズや音源を売って、これまでとは一味ちがったバンド活動をやってみるのも、これからやってみたいことのひとつです。

森弘さんのお気に入り:TAOCA COFFEE
コーヒー豆ももちろんおすすめですが、カフェオレベースもおいしくて大満足の一品です。

(写真・文:出川 光)

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