heyなら、顔が見える誰かのためにコードを書ける
STORES プロダクト本部エンジニアリングDiv UI改善チームに所属する藤井大祐(ふじい・だいすけ)さん。heyに入られたきっかけからシビックテックとの関わりまで、彼の生き方にも似た技術へのこだわりを聞きます。
顔が想像できる人のために、こだわりをもったものをつくりたい
——どうしてheyに入られたんですか?
「前職ではtoB、特に大企業の社内向けシステムを主に開発していたので、やりとりのはるかむこうにユーザーがいるという感覚でした。heyに入りたいなと思ったのは、heyが目指している世界観に共感したこと、そして顔が見える、想像できる相手にこだわりをもったサービスを提供したいと思ったからです。」
——それは、サービスの特性からそう思われたのでしょうか?
「そうですね。幼い頃にバザーやフリーマーケットに参加した経験があって、何かを作って売るということに親近感がありました。それに、入社のきっかけになったイベントに参加した時に仕事の話や開発の話を楽しそうにしてくれたのも印象的でした。会社とサービスのユーザーが大好きで熱い気持ちを持っているのが伝わってきました。そういうこだわりが伝わってくるのが何より嬉しかったです。」
——それって藤井さんの中に原点があるのでしょうか?
「僕は母子家庭なこともあって早く自立しようという気持ちを人一倍持っていました。だから大学進学をきっかけに東京に出てきてからは色々なことをやってみたんですよ。子ども達と山キャンプに行くとか、お笑いサークルとか。そんな時、たまたま出会ったNPOの2週間スリランカに井戸を掘りに行くというボランティアに参加したんです。」
スリランカの土でできた家とDVDデッキ
——すごいですね。スリランカってどんなところなんですか?
「大自然のただなかで、お風呂は湖にザブン、家は土でできていて、言葉も全く通じない。そんな体験にハマってしまって結局5回も行きました。何年も通ううちに、村の様子が少しずつ変わってきて、ある時土でできた家に大手電気メーカーのDVDデッキが登場していたんですね。屋根についたソーラー発電機から給電しているようでした。でも、そのデッキは彼らのために設計されたものではないから電力を消費しすぎてしまって肝心の家の電球が切れたりしていて。こんな果ての地まで技術が届くことに感銘を受けて技術に関わる仕事をしたいと思う一方で、誰に届けたいのかを定めて、顔が見える、想像できる相手にこだわりをもった技術をとどけないと全くそれが意味をなさないことにも気づいたんです。」
——今のSTORESでは、顔が見える、想像できる人に届けられている感じがしますか?
「そりゃぁもう。STORES のこういうところが好きなんだよね、とユーザーの人がTwitterでつぶやいてくれているのを見るだけで飛び上がるくらい嬉しいです。企業向けの開発をしていたので、Twitterでそんな感想をつぶやいてもらえるなんて本当にすごいことだなと思ってしまいます。また、自分の友達からも何人か STORES を使ってくれる方がいて。農業始めたから STORES 使ってみたい、といった相談なども受けるようになりました。そんな経験もワクワクしています。」
コロナ禍で存在感を増すシビックテックにも参画
——もうスリランカに行ったり、NPOの活動をされたりはしていないんですか?
「スリランカは行きたくてしょうがないですが今は我慢ですね。最近では、海外ボランティアのNPOでインターンをしていた経験と技術力を活かして、Code For Japanという団体で、STO事務局(Social Technology Officer、NPO版のChief Technology Officer(CTO:最高技術責任者)というキャリアを世の中に作る活動)というプロボノをやっています。技術を社会の役に立てたい人と、NPOをマッチングする役割です。」
——すごいですね。最近ではどんなプロジェクトに関わられたんですか?
「マッチングとはまた異なるのですが、Code For Japanのつながりに呼びかけられた有志に立候補して、東京都の新型コロナウイルス感染症対策サイトにリリース前からコミッターとして参加しました。OSSというコードを公開しているソフトウェアに貢献できるのは、エンジニアとしても挑戦したいものなので、Contributorとして名前が載った時は嬉しかったです。」
——そういった活動がheyでの仕事に還元されることもあるんでしょうか?
「たくさんありますね。STO事務局ではコミュニティマネジメントなどの勉強になりますし、先ほどの東京都のプロジェクトでは普段の開発だと扱わないコードの書き方や、レビュー観点などもレビュアーによってそれぞれ違い、学べることが多かったです。コロナのような一見すると自分では何も出来なそうな物事でも、貢献できることがあるんだと実感できたことは、STORES のエンジニアリングでのモチベーションにもつながっています。STORES でのサービス開発や様々な取り組みが、さまざまなお商売をやっているユーザーの役に立っていることに思いを馳せると、エンジニアになってよかったと改めて感じられるんです。」
(写真・執筆:出川 光)
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